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2013 年度 実績報告書

GPIアンカー型タンパク質の最終目的地を決定するメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 23570185
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

横尾 岳彦  独立行政法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 主任研究員 (60358306)

研究分担者 地神 芳文  独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (30357496)
キーワードGPIアンカー / 細胞壁 / 細胞膜 / 酵母 / マイクロドメイン / 脂質ラフト / 糖鎖生物学
研究概要

酵母の GPI アンカー型タンパク質の中には細胞膜から細胞壁に移行するものが存在するが、特定の GPI-AP が細胞膜に留まるか細胞壁に移行するかについては、タンパク質の種類によってほぼ決まっている。出芽酵母 Saccharomyces cerevisiae において、細胞膜に主に局在する Gas1p および細胞壁に主に局在する Cwp2p の GPI アンカーの脂質の構造を質量分析により調べたところ、前者はセラミド型である一方、後者はジアシルグリセロール型であることを、これまでに明らかにしてきた。
GPI の脂質をジアシルグリセロール型からセラミド型へ変換する過程には Cwh43p が関与しているが、GPI の脂質リモデリングにおいて、セラミドへの変換の生理的役割は不明のままである。Gas1p および Cwp2p の細胞壁/細胞膜の存在比を調べたところ、cwh43 破壊株においては両者の細胞壁における存在比が増加していることを見いだした。このことは、Cwh43p による GPI 脂質のセラミド型への変換は、GPI-AP の細胞膜から細胞壁への移行を抑制することを示唆する。GPI-AP の細胞壁への移行に GPI のホスホエタノールアミンの有無が関係するかを調べるため、ホスホエタノールアミンの除去に関与すると考えられる TED1 遺伝子の破壊株において、Gas1p および Cwp2p の細胞壁/細胞膜の存在比を調べたところ、Cwp2p の細胞壁の存在比が減少していることを見いだした。この存在比の減少は、ted1 cwh43 二重破壊株において緩和された。このことは、TED1 の欠損が GPI の脂質リモデリングに影響を与えることを示唆する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] GPIアンカー生合成系における新規バイパス経路2014

    • 著者名/発表者名
      横尾岳彦
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 52 ページ: 283-284

    • URL

      http://www.jsbba.or.jp/pub/journal_kasei/kasei_contents/vol52_5_2014.html

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Determination and physiological roles of the glycosylphosphatidylinositol lipid remodeling pathway in yeast2013

    • 著者名/発表者名
      Yoko-o, T., Ichikawa, D., Miyagishi, Y., Kato, A., Umemura, M., Takase, K., Ra, M., Ikeda, K., Taguchi, R. and Jigami, Y.
    • 雑誌名

      Molecular Microbiology

      巻: 88 ページ: 140-155

    • DOI

      10.1111/mmi.12175

    • 査読あり
  • [学会発表] 新産業酵母 Ogataea minuta における GPI 生合成機構の解析2014

    • 著者名/発表者名
      横尾岳彦、小松崎亜紀子、千葉靖典
    • 学会等名
      第13回産総研・産技連LS-BT合同研究発表会
    • 発表場所
      産業技術総合研究所共用講堂(茨城県つくば市)
    • 年月日
      20140218-20140219
  • [学会発表] GPI アンカー型タンパク質の最終目的地を決定するメカニズムの解析2013

    • 著者名/発表者名
      横尾岳彦、高瀬久美子、梅村真理子
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      20131203-20131206
  • [学会発表] メタノール資化性酵母 Ogataea minuta における GPI の生合成系の解析2013

    • 著者名/発表者名
      小松崎亜紀子、千葉靖典、横尾岳彦
    • 学会等名
      酵母遺伝学フォーラム第46回研究報告会
    • 発表場所
      東北学院大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      20130908-20130910
  • [図書] プロテオミクス辞典2013

    • 著者名/発表者名
      横尾岳彦
    • 総ページ数
      27
    • 出版者
      講談社
  • [図書] 酵母の生命科学と生物工学 - 産業応用から基礎化学へ2013

    • 著者名/発表者名
      横尾岳彦、千葉靖典
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      化学同人
  • [備考] 酵母細胞における GPI の脂質リモデリング経路の同定とその生理的役割

    • URL

      https://staff.aist.go.jp/t.yoko-o/gbs/pathway.html

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公開日: 2015-05-28  

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