構造の類似した相同なタンパク質の一群が、生体中で多様な機能を実現している分子基盤の解明をめざし、PASドメインタンパク質の中で機能の異なる、2つPYP分子をモデルにして、その機能の違いを生む分子機構を検証した。その結果、①未解明であった、PYP分子の相互作用タンパク質の溶液中での構造を決定した。さらに、相互作用時の複合体構造の溶液構造の決定も行った。複合体は、溶液中で特徴的な環状ヘテロ八量体を形成していた。②相互作用に関わるPYP上の残基を同定して、相互作用という機能の多様化を生み出す部位を決定した。さらに、③結晶構造解析を行い、この結合部位の周辺が相互作用時に構造変化を示す可能性を見出した。
|