真核細胞には、アクチンが重合・脱重合を繰り返し、それがセミマクロな細胞全体の運動に統合される現象が観察される。この統合に重要な役割を果たしているのが、アクチン結合蛋白質で、特に、重合核形成促進因子は必須である。重合核形成促進因子が、アクチンの自発的重合過程をどのように改変しているかを調べるために、時分割X線小角散乱法で核形成過程を追跡した。その結果、アクチン二量体から四量体に進む過程に大きなエネルギー障壁があり、四量体が核であることが分かった。重合核形成促進因子は、この反応を回避して重合を促進していると思われる。
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