翻訳が滞ったリボソームのｔｍＲＮＡ非依存的な新規レスキュー機構の解析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23570205
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 分子生物学
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 行木 信一 群馬大学, 理工学研究院, 准教授 (80302959)
• 研究分担者: 姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80208785)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 翻訳停滞解消因子 / リボソームレスキュー

研究概要

本研究では，翻訳停滞解消因子YaeJのリボソーム上での分子メカニズムを明らかにするために変異体解析を行った。その結果，リンカー領域 Arg105およびC末端領域 Arg118，Leu119，Lys122，Lys129，Arg132にそれぞれ変異を与えると，ペプチジルtRNA加水分解活性（PTH活性）が著しく低下することが明らかとなった。さらに，ショ糖密度勾配法によって，これらの変異体はリボソームへの結合能が低下していることが示された。以上のことから，C末端領域に存在する限られた数のアミノ酸残基がリボソームと直接結合して，翻訳が滞ったリボソームのA-siteに入るモデルが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] 細菌・ミトコンドリアにおけるtmRNA非依存的な翻訳停滞解消機構[総説] (2014)
  • 著者名/発表者名: 行木信一
  • 雑誌名: 生化学 巻: 86 ページ: 86-91
• [雑誌論文] Identification of residues required for stalled-ribosome rescue in the codon-independent release factor YaeJ (2014)
  • 著者名/発表者名: Kogure, H., Handa, H., Nagata, M., Kanai, N., Güntert, P., Kubota, K., Nameki, N.
  • 雑誌名: Nucleic Acids Res. 巻: 42 ページ: 3152-3163
  • DOI: 10.1093/nar/gkt1280
  • 査読あり
• [雑誌論文] Solution structure and siRNA-mediated knockdown analysis of the mitochondrial disease-related protein C12orf65 (2012)
  • 著者名/発表者名: Kogure, H., Hikawa, Y., Hagihara, M., Tochio, N., Koshiba, S., Inoue, Y., Güntert, P., Kigawa, T., Yokoyama, S., Nameki, N.
  • 雑誌名: Proteins 巻: 80 ページ: 2629-2642
  • 査読あり
• [雑誌論文] Inhibitory effects of choline-O-sulfate on amyloid formation of human islet amyloid polypeptide (2012)
  • 著者名/発表者名: Hagihara, M., Takei, A., Ishii, T., Kubota, K., Wakamatsu, K., Nameki, N.
  • 雑誌名: FEBS Open Bio. 巻: 2 ページ: 20-25
  • DOI: 10.1016/j.fob.2012.02.001
  • 査読あり
• [学会発表] Functional analysis of stalled-ribosome rescue factors ICT1 and C12orf65 in mitochondria (2013)
  • 著者名/発表者名: 小暮裕幸,半田佳宏,金井直人,岸本宏基,今泉友紀,永田昌弘,窪田健二,行木信一
  • 学会等名: 第7回International Conference on Advanced Micro-Device Engineering
  • 発表場所: 桐生市市民文化会館(群馬県)
  • 年月日: 2013-12-19
• [学会発表] Solution structure of the GGQ domain of the ICT1 protein that is essential for cell vitality and mitochondrial function (2013)
  • 著者名/発表者名: 半田佳宏,小暮裕幸,樋川雄介,Peter Güntert,井上裕介,栃尾尚哉,行木信一
  • 学会等名: 第7回International Conference on Advanced Micro-Device Engineering
  • 発表場所: 桐生市市民文化会館(群馬県)
  • 年月日: 2013-12-19
• [学会発表] YaeJタンパク質の機能解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 金井直人,小暮裕幸,永田昌弘,半田佳宏,行木信一
  • 発表場所: ろうきん研修所富士センター(静岡県)
  • 年月日: 2013-09-19
• [学会発表] ミトコンドリアにおける翻訳停滞解消機構の解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小暮裕幸,半田佳宏,井上裕介,行木信一
  • 学会等名: 第6回RNA Frontier Meeting
  • 発表場所: ラフォーレ修善寺(静岡県)
  • 年月日: 2013-09-03
• [学会発表] ミトコンドリアにおける翻訳停滞解消因子ICT1およびC12orf65の機能解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 小暮裕幸,半田佳宏,井上裕介,行木信一
  • 学会等名: 第15回日本RNA学会年会
  • 発表場所: 県民文化会館・ひめぎんホール(愛媛県)
  • 年月日: 2013-07-24
• [学会発表] 翻訳停滞解消に関わるyICT1とyICT2遺伝子欠損による酵母ミトコンドリアへの影響 (2012)
  • 著者名/発表者名: 千葉麻里子,今泉友紀,行木信一
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 福岡国際会議場
  • 年月日: 2012-12-11
• [学会発表] 変異体解析によるYaeJタンパク質の機能解析 (2012)
  • 著者名/発表者名: 金井直人,小暮裕幸,稲穂紀幸,半田佳宏,行木信一
  • 学会等名: 平成24年度日本生化学会関東支部例会
  • 発表場所: 群馬大学昭和キャンパス
  • 年月日: 2012-06-23
• [学会発表] 大腸菌におけるyaeJホモログ遺伝子の機能解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 千葉麻里子,小椋義俊,行木信一
  • 学会等名: 平成24年度日本生化学会関東支部例会
  • 発表場所: 群馬大学昭和キャンパス
  • 年月日: 2012-06-23
• [学会発表] Transcriptional analysis of the gene encoding the mitochondrial protein C12orf65 (2011)
  • 著者名/発表者名: 樋川雄介,小暮裕幸,井上裕介,行木信一
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(神奈川県)
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] 細菌・ミトコンドリアにおける翻訳停滞解消(ribosome rescue)機構の新展開 (2011)
  • 著者名/発表者名: 行木信一
  • 学会等名: 東京理科大学総合研究機構RNA科学総合研究センター公開セミナー
  • 発表場所: 東京理科大学野田キャンパス
  • 年月日: 2011-10-13
  • 招待講演
• [学会発表] 翻訳の滞りを解消するYaeJタンパク質の機能解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 稲穂紀幸,半田佳宏,金井直人,小暮裕幸,行木信一
  • 学会等名: 第5回日本ゲノム微生物学会若手の会研究会
  • 発表場所: ろうきん研修所富士センター(静岡県)
  • 年月日: 2011-09-29
• [学会発表] Transcriptional Analysis of the Gene Encoding the Mitochondrial Protein ICT1 (2011)
  • 著者名/発表者名: Hiroyuki Kogure, Yoshihiro Handa, Yusuke Hikawa, Yusuke Inoue, Nobukazu Nameki.
  • 学会等名: The 16th Annual Meeting of the RNA Society and The 13^<th> Annual Meeting of the RNA Society of Japan
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都府)
  • 年月日: 2011-06-14
• [図書] Encyclopedia of Systems Biology (2013)
  • 著者名/発表者名: Nameki, N., Someya, T., Kawai, G.
  • 総ページ数: 2289-92
  • 出版者: Springer New York (著書, 分担) Translational control with small RNAs. In : Dubitzky W, Wolkenhauer O, Cho K-H, Yokota H. (editors)
• [備考] 行木研ホームページ
  • URL: http://molbio.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp