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2013 年度 実績報告書

出芽酵母におけるリボソーム構成因子群の転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23570215
研究機関東京農業大学

研究代表者

笠原 浩司  東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (40304159)

キーワード転写 / リボソームタンパク質遺伝子 / リボソームRNA質遺伝子 / 出芽酵母
研究概要

本年度は主にHmo1の主要な標的の一つである(Pol Iによって転写される)35S rRNA遺伝子におけるHmo1の役割についての研究を行った。HMO1遺伝子の破壊(Δhmo1)が35S rRNA遺伝子の転写に与える影響は予想に反してそれほど大きくないことから、Hmo1はその重要性ゆえにそれを補う仕組みが存在し、HMO1単独破壊ではその機能の欠損が重篤な表現型として現れないのではないかと仮定し、過去にその変異がΔhmo1と合成致死性を示すことが報告されていたFPR1遺伝子に着目し、両遺伝子の二重破壊株(Δhmo1Δfpr1)を作成したところ、過去の知見に反しこの株は致死ではなかったものの、野生株、及び各単独破壊株に比べ著しい生育遅延を示し、Hmo1とFpr1が細胞にとって重要な役割を共有することが再確認された。ノザン解析の結果、二重破壊株ではPol II, Pol IIIによって転写される他のリボソーム構成因子の遺伝子に比べ、35S rRNAの量が大きく低下することが明らかとなった。Pol Iによる転写異常の原因を探るため、Pol I系の基本転写因子、及びPol I自身の35S rRNA遺伝子への結合をChIP解析により調べた結果、二重破壊株ではこれらの因子の35S rRNA遺伝子プロモーターへの結合が著しく低下していた。一方、Pol Iの結合は遺伝子の下流においても、それ以上の低下は観察されなかった。これらの結果は、Hmo1/Fpr1がPol I による35S rRNA遺伝子の転写を、(転写の伸長よりも)開始段階で促進するという、従来に無い知見を与えるものである。加えて、Δfpr1株においてはHmo1の標的遺伝子(35S rRNA遺伝子、リボソームタンパク質遺伝子)への結合が有意に低下することも見出され、本研究のテーマの一つであるHmo1の標的遺伝子への結合の仕組みの解明についても、重要な手がかりを得る結果となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リボソーム構成因子の発現調節に関わる酵母Hmo1タンパク質のDNA結合機構

    • 著者名/発表者名
      笠原浩司
    • 学会等名
      第36会日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)

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公開日: 2015-05-28  

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