研究課題
mRNAの翻訳や安定性の制御の機構を明らかにするには、そのmRNAがどのような蛋白質と複合体(mRNP)になっているかを知ることが重要である。本研究では、これまでにアフリカツメガエル卵母細胞から同定したRAP55/Lsm14とP100/Pat1蛋白質の解析を進めた。RAP55A蛋白質は培養細胞や卵母細胞において、P-bodyやストレス顆粒というmRNP顆粒に局在し、かつ、これら顆粒の形成に必須である。高等動物にはRAP55Aと相同性の高いRAP55B蛋白質が存在するが、RAP55B蛋白質もP-bodyに局在することが分かった。RAP55と機能的に関わる蛋白質を探索する目的で、RAP55との共局在、高発現での顆粒形成への影響、RAP55の顆粒からの消失、を指標にしたスクリーニングをおこなった。その結果、M期でスピンドルに局在する因子や複数の新規顆粒局在因子、顆粒形成に関わる因子を同定した。内在性のP100は卵成熟過程で消失するが、卵母細胞に過剰発現させてから卵成熟ホルモン処理すると卵成熟が遅延する。卵成熟過程でのP100の消失は分解によると考えて、P100蛋白質の点変異体を作製し、P100の安定性に影響する点変異体を得た。野生型P100に比べて安定なP100点変異体を卵母細胞に高発現させて卵成熟進行における効果を検討したところ、現在まで、いずれの変異体でも卵成熟の遅延が見られた。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
生化学
巻: 86 ページ: 274-280
Oncogene
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1038/onc.2013.255.
Anat. Rec.
巻: 296 ページ: 891-898
10.1002/ar.22702.