放射状グリア(RG)は脳の構築に不可欠である。RGは放射状突起をもつが、これは発生過程では物理的足場なっている。本研究ではRGの形態維持の機構とその意義の解明を目指した。そしてCXCL12/CXCR4/CXCR7シグナル伝達系欠損遺伝子改変マウスの脊髄で、RGの突起形成の阻害を見出した。また、末梢神経の中枢神経への侵入を観察した。さらに、RGの基底膜への接着性への関与を示し、さらにCXCL12によるRGのインテグリンB1の活性化を見出した。よって、CXCL12/CXCR4/CXCR7シグナル伝達系がRGの放射状突起の基底膜への接着性を増すことで、その足場構造の維持に寄与していると考えられる。
|