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2014 年度 実績報告書

増殖因子シグナルと接着シグナルの統合制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 23570227
研究機関大阪大学

研究代表者

水島 寛人  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (30379094)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード細胞増殖 / 増殖因子 / 細胞接着 / 細胞骨格
研究実績の概要

FAKのFERMドメインのチロシンリン酸化が、EGFRリガンドであるHB-EGFに依存した細胞増殖を制御している可能性を、以下の結果から明らかにしてきた。1)FAK欠損細胞はHB-EGF依存的に増殖しないが、外来性FAKを発現することによりHB-EGF依存的に増殖する。2)疑似リン酸化変異体YDは、増殖亢進活性が極度に低下している。3)FAKの活性化に必要な自己リン酸化とSrc依存的リン酸化がYDで顕著に低下している。4) YDはチューブリンと結合するHsp90を介して微小管と結合し、接着斑に局在しない。5)YDは内在性FAK発現細胞の増殖を抑制する。以上の結果より、FERMドメインのリン酸化は、FAKの接着斑への集積と活性化を抑制し、増殖抑制に関与すると考えられた。
YD発現細胞をHsp90阻害剤で処理したところ、YDは速やかに分解された。このことから、FERMドメインのリン酸化は分解シグナルになっており、Hsp90はFAKの分解を抑制することが分かった。
細胞を様々な薬剤による処理ならびに条件で培養し、リン酸化特異的scFvを用いてリン酸化の検出を試みたが、リン酸化は検出出来なかった。質量分析でもリン酸化は検出されなかった。
Hsp90は細胞増殖に必須であることから、Hsp90によるリン酸化FAKの微小管への結合を介した不活性化は、単純な増殖抑制機構というよりはむしろ、細胞の生存に関与している可能性が考えられる。FAKのリン酸化と分解を誘導する外的刺激に応答して、Hsp90はFAKを微小管にトラップすることにより、細胞周期を一時的に停止させる機構に関与しているかもしれない。今後はFAKの分解を誘導するFERMドメインのリン酸化が、どの様な刺激あるいは生物現象で生じるのかを、明らかにする必要があると思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of diphtheria toxin R domain mutants with enhanced inhibitory activity against HB-EGF2015

    • 著者名/発表者名
      Suzuki K, Mizushima H, Abe H, Iwamoto R, Nakamura H, Mekada E
    • 雑誌名

      J Biochem

      巻: mvu079 ページ: in press

    • DOI

      10.1093/jb/mvu079

    • 査読あり
  • [学会発表] FAKリン酸化によるHB-EGF依存的細胞増殖制御2014

    • 著者名/発表者名
      水島寛人、船越敍希、目加田英輔
    • 学会等名
      第66回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      奈良県新公会堂
    • 年月日
      2014-06-11 – 2014-06-13

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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