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2011 年度 実施状況報告書

Nup98機能異常による細胞がん化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23570228
研究機関大阪大学

研究代表者

岡 正啓  大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40432504)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードヌクレオポリン / がん化 / 細胞
研究概要

本研究はNup98融合遺伝子の発現、および、Nup98の機能異常によるによる細胞がん化メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成23年度はNup98とホメオボックス遺伝子の融合遺伝子産物であるNup98-Hox融合タンパク質に結合する因子の単離、および同定を行う目的でHEK293細胞にGSTタグを結合したNup98-Hox融合タンパク質を一過性に発現させ、グルタチオンセファロースビーズを用いてpull-downを行った。その結果、Nup98-Hox融合タンパク質に結合する複数のバンドが銀染色により確認された。現在、質量分析による解析を進めている。また、N末端にFLAGタグを結合したNup98-Hox融合タンパク質を発現する安定発現細胞株の取得を様々な細胞種を用いて試みた。その結果、特定の細胞種において、複数の安定発現細胞株を得ることができた。これらの細胞株のウエスタンブロッティング、および免疫染色を行い、Nup98-Hox融合タンパク質の発現・局在を確認することができた。これらの細胞を用いて、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降、そして質量分析を行い、Nup98-Hox融合タンパク質に結合する分子の同定を進めている。また、Nup98-Hox融合タンパク質以外にも、Nup98FGリピートのみ、そしてHoxホメオドメインのみをそれぞれ発現する安定発現細胞株も同時に得ることができたので、同様に解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

‘Nup98-Hox融合タンパク質結合因子の単離・同定’に関しては、Nup98-Hox融合タンパク質に結合する複数の候補因子を得ることができた。さらに、pull-downの過程において一過性に過剰発現したタンパク質を用いることに伴う偽陽性の結合タンパク質を減らす目的で、様々な細胞種を用いて安定発現細胞株の作成にも着手した。その結果、特定の細胞種に関して、複数の安定発現細胞株を得ることができた。予定していた‘Nup98-Hox融合タンパク質のクロマチン結合部位の同定‘に関しては、当初の計画を一部変更し(細胞種、タグの種類など)、H23年度に新たに得られた安定発現細胞株を用いて解析を進めるため、その条件検討に着手している。

今後の研究の推進方策

‘Nup98-Hox融合タンパク質結合因子の単離・同定’に関しては、平成23年度に得られた複数の候補因子の解析を進めるとともに、新たに取得した安定発現細胞株を用いてNup98-Hox融合タンパク質の結合因子の単離、およびその解析を進めてゆく予定である。また、‘Nup98-Hox融合タンパク質のクロマチン結合部位の同定‘に関しては、平成23年度に樹立した安定発現細胞株を用いてクロマチン免疫沈降の条件検討を進め、解析に着手する予定である。さらに、当初の予定通り、Nup98の発現低下が細胞に及ぼす影響についての解析に着手する。

次年度の研究費の使用計画

Nup98-Hox融合タンパク質の結合因子を同定するために、質量分析の受託解析費用が必要になる。また、免疫沈降に必要な抗体、プロテインGアガロースなどの試薬類、および、安定発現細胞株の培養に必要な血清、培地、ピペット、ディッシュ等を購入する予定である。そして、クロマチン結合部位の同定をはじめとする様々な分子生物学的実験に必要な試薬・キット類を購入する。また、国内学会における成果発表のための旅費を計上した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The role of Rae1 in Nup98 fusion-mediated leukemogenesis.2011

    • 著者名/発表者名
      Oka M, Yoneda Y.
    • 雑誌名

      Cell Cycle

      巻: 10 ページ: 1896

    • DOI

      10.4161/cc.10.12.15759

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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