研究課題/領域番号 |
23570228
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡 正啓 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40432504)
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キーワード | ヌクレオポリン / Nup98 / がん化 / ヒストン修飾 |
研究概要 |
本研究はNup98融合遺伝子の発現、および、Nup98の機能異常によるによる細胞がん化メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成24年度は、前年度に既に樹立したN末端にFLAGタグを結合したNup98融合タンパク質を安定に発現する細胞株を用いて、pull-downを行い、その結合タンパク質の単離を試みた。また、Nup98のFGリピート部位のみを発現する細胞でも同様にpull-downを行った。SDS-PAGE、銀染色したのちに、バンドを比較した結果、Nup98融合タンパク質に結合する複数のバンドが得られた。それらのバンドを切り出し質量分析を行った結果、幾つかのタンパク質を同定することが出来た。また、GFPを融合したNup98融合タンパク質、GFP-Nup98-Hoxの特徴的な核内ドッド構造に着目し、様々な抗体を用いた共染色や、あるいは、様々な薬剤処理によるその動態への影響を観察した。その結果、特異的なヒストン修飾とGFP-Nup98-Hoxの共局在が高頻度で観察されることが分かった。また、薬剤処理によっても、その核内局在が大きく影響を受けるものがあることが分かった。今後、これらの薬剤の作用機序とNup98融合タンパクの機能の関連ついて解析を進める。さらに、Nup98-Hox以外のNup98融合タンパク質についても同様に、GFP融合タンパク質の発現ベクターを作成し、それらを発現させ、細胞内局在の解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までに作成した安定発現細胞株を用いて、Nup98融合タンパク質に結合する複数のタンパク質を得ることが出来た。また、GFP-Nup98-Hoxの特徴的な核内ドッド構造の解析も同時に進めることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、単離・同定したNup98融合タンパク質結合タンパク質に関し、解析を進める。また、Nup98融合タンパク質とヒストン修飾の関連、また、Nup98融合タンパク質の局在変化を引き起こす薬剤の作用機序の観点からNup98融合タンパク質の生理機能の解析を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究を実施するにあたり、遺伝子工学試薬や一般試薬類などの消耗品費に関し、必要に応じて研究費の執行を行ったところ、当初の見込みとは差異が生じた。しかしながら、研究計画自体に大きな変更はなく、前年度の研究費も含め当初の研究計画の予定通り、進めてゆく予定である。
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