研究課題
これまでに本研究では、新規脱ユビキチン酵素複合体を形成するVCIP135結合タンパク質、WAC(p87)を同定し、WACがゴルジ体に局在し、ゴルジ体形成必須因子として機能する事を明らかにした。さらに、WACが細胞分裂期のゴルジ体再構成特異的に、p97/p47膜融合経路におけるVCIP135の脱ユビキチン活性を活性化する事で機能している事を強く示唆する結果を得た。細胞分裂期におけるWAC、VCIP135およびユビキチンが、ゴルジ体再構成の分子機構に重要な役割を果たしている事が明らかであり、ゴルジ体膜上のWACの機能の解明がそれらに重要な知見を与えるものと考えられる。しかしながら、WAC分子内に膜貫通領域は存在せず、また膜局在修飾モチーフも無いと思われることから、WACをゴルジ体に繋ぎ止めている結合タンパク質の存在が予想された。このゴルジ体膜上のWACレセプター分子もゴルジ体再構成に重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられる。そこで、まずyeast two hybrid法を用いて、WAC結合タンパク質の同定を試みた。その結果、いくつかのWAC結合タンパク質の同定に成功し、そのなかからゴルジ体に局在を示すタンパク質、p130を見出した。in vitroにおいて、WACとp130が直接結合する事を生化学的に確認し、また、抗WAC抗体を用いた免疫沈降により、in vivoにおいてWACおよびp130がゴルジ体膜上において複合体を形成している事を確認した。
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Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 433(2) ページ: 237-42
10.1016/j.bbrc.2013.02.090.