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2013 年度 実績報告書

オートファジー誘導系を用いたオートファジー分子メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23570241
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

鎌田 芳彰  基礎生物学研究所, 多様性生物学研究室, 助教 (20291891)

キーワード栄養環境 / シグナル伝達 / 出芽酵母 / 生化学 / 細胞生物学 / ラパマイシン / TOR
研究概要

栄養源は細胞の成長・増殖に必須である。したがって、栄養環境を正確に感知し、それに迅速に応答することは、細胞にとって最も重要な生命反応の1つである。このような栄養環境シグナル伝達系の中枢としてTor複合体1(TORC1) が機能している。TORC1は酵母から植物・ほ乳類にいたるまで、真核細胞に広く保存されている。よって、TORC1がどのようにして栄養環境情報を捉えているか、つまりTORC1の制御機構も広く保存されていると考えられる。しかしながら、そのメカニズムは不明な点が多く残されている。
ほ乳類で提唱されているTORC1制御因子候補の多くが酵母にも保存されているが、TORC1と違って細胞の生育に必須の機能を持っていない。そこで、制御因子遺伝子の欠損株を用いて検討を行ったところ、それらの候補は酵母TORC1の制御には関与していないことが示された。一方、Kimら(Han et al. Cell 2012)、De Vigillioら(Bonifils et al. Mol Cell 2012)が報告したLeucyl-tRNA synthetase (LeuRS, 出芽酵母CDC60)に関して追試を行ったところ、LeuRSはTORC1の制御に関与していることが確認されたが、それに留まらず、他のAminoacyl-tRNA synthetase (ARS)もTORC1の制御に関与していることが新たに示された。ARSはペプチド合成に関与する必須遺伝子であるが、それだけではなく、栄養(アミノ酸)環境シグナル伝達にも必須の役割を果たしていることが示唆された。ペプチド合成に関与する必須因子 (Translational factors)の多くはTORC1制御には関与していないため、タンパク翻訳がTORC1の制御に関与している可能性は否定された。さらに、必須遺伝子の1つがTORC1制御に関与している可能性が得られ、引き続き検討を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Amino acid residues required for Gtr1p-Gtr2p complex formation and its interactions with the Ego1p-Ego3p complex and TORC1 components in yeast2014

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Sekiguchi, Yoshiaki Kamada, Nobuaki Furuno, Minoru Funakoshi and Hideki Kobayashi
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 19 ページ: 1-15

    • DOI

      10.1111/gtc.12145

    • 査読あり
  • [学会発表] 窒素源飢餓条件下でのオートファジーによる細胞周期進行の二段階制御機構2013

    • 著者名/発表者名
      松井愛子、鎌田芳彰、松浦彰
    • 学会等名
      酵母遺伝フォーラム第46回研究報告会
    • 発表場所
      東北学院大学(宮城県仙台市)
    • 年月日
      20130908-20130910
  • [学会発表] 栄養センサーTor複合体1はどのようにして栄養環境を把握するか?

    • 著者名/発表者名
      鎌田芳彰
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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