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2013 年度 実施状況報告書

発生期におけるコレステロール代謝と細胞機能の制御

研究課題

研究課題/領域番号 23570246
研究機関東北大学

研究代表者

東海林 亙  東北大学, 国際高等研究教育機構, 准教授 (40250831)

キーワードゼブラフィッシュ / 血管形成
研究概要

前年度まではコレステロール合成経路に変異をもつゼブラフィッシュ変異体でみられた血管異常に着目し、疾患を引き起こす原因代謝産物を同定するとともにその作用機序について研究を行ってきた。またその途中経過では、コレステロール合成経路の中間代謝産物から生成されるゲラニルゲラニル産物の欠乏が低分子量Gタンパクの活性を低下させること、また低分子量Gタンパクのなかでも特に細胞内小胞輸送に関与する分子ファミリーが血管形成に必須となることを見いだしてきた。
平成25年度においては、細胞内小胞輸送システムが血管形成に作用する分子機構について引き続いて解析を行った。細胞内小胞輸送の中でもとくに、エンドサイトーシスを担当する分子群が血管形成に重要であり、その作用はクラスリン非依存性・ダイナミン依存性であることを明らかにした。また血管内皮に特徴的なカベオリン依存性のエンドサトーシスの関与が認めれられ、これらの分子群の作用を抑制することにより、クラスリン非依存性細胞内小胞・カベオラ小胞からバキュオール形成・血管内腔形成へと連なる、新規の血管新生の制御モデルを想定するに至った。この仮説を検証するためにリアルタイムでの血管新生撮影を試みたが、既存の光学機器では十分な血管内腔の描出を得ることができなかった。このため研究期間を一年間延長し、高感度CMOSカメラを導入することによって血管内腔形成のタイムラプス解析を行うこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コレステロール代謝経路に異常をもつゼブラフィッシュ変異体の研究から、血管形成における新規の制御メカニズムを提言しうる研究成果を達成しつつある。一年間の延長申請を行ったが、初年度に東日本大震災の被害のあったことを考慮すると、おおむね妥当な進捗状況といえる。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果によって、細胞内小胞輸送に依存した血管内腔形成の分子機構の存在が予測されており、これを遺伝子ノックダウンによる分子機能解析、in vivo タイムラプス解析からゼブラフィッシュおよびマウスの血管系の研究により確かなものとする。内腔特異的な蛍光標識と高感度CMOSカメラを導入し、またCRISPR/CAS法によるゲノム編集を行い、遺伝学的な解析を補強する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度にコレステロール代謝異常下でのマウスの血管新生モデルの実験を行い、内腔の形成への影響を解析するとともに学会発表を行う予定であったが、血管内皮の形態を描出する蛍光タンパクの発現が微弱であったため、計画を変更して高感度CMOSカメラによる解析を導入することにした。このために未使用額が発生した。
以上の理由から、高感度CMOSカメラによる血管内皮の解析と研究発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Hindbrain V2a neurons in the excitation of spinal locomotor circuits during zebrafish swimming2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura Y., Satou C., Fujioka S., Shoji W., Umeda K., Ishizuka T., Yawo H., Higashijima S.
    • 雑誌名

      Curr Biol.

      巻: 23 ページ: 843-849

    • DOI

      10.1016/j.cub.2013.03.066

    • 査読あり
  • [学会発表] Optogenetic analysis of escape behavior in zebrafish larvae2014

    • 著者名/発表者名
      梅田桂子、東海林亙
    • 学会等名
      第7回神経発生討論会
    • 発表場所
      吹田市
    • 年月日
      20140313-20140314
  • [学会発表] 神経冠細胞はゼブラフィッシュ胚の運動神経・細胞体の位置の保持に関与する2013

    • 著者名/発表者名
      前田(佐藤)美香、東海林亙
    • 学会等名
      第84回日本動物学会年会
    • 発表場所
      岡山市
    • 年月日
      20130926-20130928
  • [学会発表] Gene induction, tracing, and ablation of the targeted single endothelial cells using IR-LEGO system2013

    • 著者名/発表者名
      Kimura. E., Deguchi, T., Kamei, Y., Shoji, W., Yuba, S., Hitomi, J.
    • 学会等名
      第19回小型魚類研究会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      20130920-20130921
  • [学会発表] Motion prediction, tracking and stabilization of free-swimiming zebrafish2013

    • 著者名/発表者名
      Ihara, T., Yanglei, G., Matsui, S., Fei, X., Shoji, W., Hashimoto, K.
    • 学会等名
      第19回小型魚類研究会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      20130920-20130921
  • [学会発表] Microscope systems for tracking zebrafish and light stimulation2013

    • 著者名/発表者名
      Matsui, S., Shoji, W., Hashimoto, K.
    • 学会等名
      第19回小型魚類研究会
    • 発表場所
      仙台市
    • 年月日
      20130920-20130921
  • [学会発表] Tag-1-mediated early interaction between neural crest cells and motor axons in zebrafish2013

    • 著者名/発表者名
      Sato-Maeda, M. and Shoji, W.
    • 学会等名
      第47回日本発生生物学会大会
    • 発表場所
      松江市
    • 年月日
      20130528-20130531

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公開日: 2015-05-28  

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