コレステロール合成系路に欠損をもつゼブラフィッシュ変異体では血管網の解剖学的パターンが正常であるにも関わらず、内腔の低形成が引き起こされる。この現象に着目して合成・代謝酵素群の系統的な解析を行い、コレステロール生合成の中間体より派生するゲラニル・ゲラニル産物の存在が内腔形成に必須であることを見いだした。この代謝産物はプレニル化により低分子量Gタンパクの活性化に寄与するが、血管内腔の形成に関しては低分子量Gタンパクの1グループであるrabファミリー遺伝子群が必須であることが明らかになった。さらに同様の分子メカニズムによる内腔形成機構が哺乳動物においても保存されていることが示唆された。
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