研究課題/領域番号 |
23570249
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 靖浩 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教 (50508108)
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研究分担者 |
後藤 由季子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70252525)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ニューロン移動 / Akt |
研究概要 |
大脳新皮質はニューロンが適切に配置された6 層構造からなり、その形成にはニューロンの移動が必須の役割を果たす。ニューロンは核と中心体が交互に動く核-中心体カップリングというニューロン特異的な現象によって移動することが知られているが、その制御メカニズムには不明な点が多く残されている。申請者のこれまでの解析から、セリン/スレオニンキナーゼAkt が大脳新皮質ニューロンの移動と層形成に重要な役割を果たすことが明らかになっている。しかしながら、Akt がどのようにしてニューロン移動を制御するかについては不明なままである。当該年度本研究において、Aktが直接リンさん化する基質を探索する目的で、脳抽出液中に含まれるリン酸化ペプチドの網羅的検出を行なった。Akt活性化に必要な上流分子PDK1のノックアウトマウス脳とコントロール脳から検出されたリン酸化ペプチドを比較したところ、コントロール脳に比べてPDK1ノックアウト脳において微小管結合タンパク質のリン酸化が大きく変化していた。この結果は、PDK1ノックアウトにより微小管安定性が変化していることを示唆している。現在、Aktの直接のリン酸化ターゲットの絞り込みを行なっている。また、移動中のニューロンにおける中心体の挙動を調べるため、子宮内エレクトロポレーションによる遺伝子導入後に脳スライスを作製・観察した。中心体局在型RFPを発現させることにより、中心体の挙動をリアルタイムに追跡することに成功した。現在、中心体の挙動を詳細に解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の研究計画どおりに実験が行なわれ、また興味深い知見も得られており、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進んでおり、当初の計画通りに実験を行なっていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は当初の予定より消耗品を安価で手に入れることが出来たため、次年度に研究費を一部繰り越した。今後研究が順調に進むことによりリン酸化ペプチド抗体の作製などが必要になってくるので、それらの消耗品費として使用する予定である。
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