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2012 年度 実施状況報告書

鳥類の性決定遺伝子の機能解析と細胞系譜解析

研究課題

研究課題/領域番号 23570254
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

吉岡 秀文  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40191548)

研究分担者 笠原 恵  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20243347)
キーワード性分化機構 / 生殖腺 / HNTW / HINZ / DMRT1 / ニワトリ / 性決定遺伝子
研究概要

HINTZ(histidine triad nucleotide binding protein Z-linked)を2日胚雌の生殖腺予定領域に過剰発現をさせて、10日胚の生殖腺について、各種遺伝子マーカーの発現を蛍光 in situ hybiridization法で解析した。HINTZの発現細胞とは重ならない細胞で雄の性分化カスケードのマーカー遺伝子であるDMRT1の発現が誘導された。ことことはいままで雄の性決定遺伝子として報告されているDMRT1遺伝子の上流にHINTZが存在していることを示す。この遺伝子カスケードは2日胚の雌の生殖予定領域でも成立するので、2日胚の雌雄交換移植実験により、すでにこの時期に性決定がされているという実験とは異なる結果を意味する。さらに、雄性決定遺伝子としてDMRT1がその候補遺伝子であるという報告があるが、同じZ染色体に存在するHINTZ遺伝子がその遺伝子発現を制御する可能性があることを示すことになる。ただし、雌にHNTZを過剰発現させたとしても、Aromataseの発現が抑制されるわけではなく、DMRT1発現誘導細胞はAromatase発現細胞と重ならない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

遺伝子の過剰発現をした胚の死亡率が高いため 有効な胚の個数をなかなか確保できない。section in situ hybridizatiion で 同一個体から種々の遺伝子発現の調べているが、HINTZやHINTWsiRNAの過剰発現でDMRT1が誘導されたりはするが、その他の性依存的各種遺伝子マーカの発現が必ずしも統一的に説明できずに、矛盾がでてくるような結果であり、その解釈やさらなる仮説とその証明が必要である。

今後の研究の推進方策

HINTWsiRNAおよびHINTZsiRNAによるノックダウン実験,さらにHINTWの過剰発現実験でどのような変化がおこるかを解析する。さらに同時にHINTWsiRNAとHINTZの過剰発現による変化、および同時にHINTZsiRNAとHINTWの過剰発現による変化も解析する。HINTZとHINTWの生物学的機能がまだまだ不明な点が多い。そのアプローチのひとつとして細胞内局在性を調べたいと考えた。ペプチド抗体を作成して、免疫組織化学染色法により、確認したい。

次年度の研究費の使用計画

上記に記したような実験を遂行するために、ニワトリ胚に電気穿孔法で各種遺伝子やそのsiRNAを発現させ、計時的に固定して、各種性依存的遺伝子マーカーの発現を蛍光法を使ったsection in situ hybridizationで解析する。ニワトリ受精卵や蛍光プローブ調製試薬、section in situ hybridization 関係試薬などの消耗品に使用する。また以前のデーターの論文投稿用で英文校正料や投稿用にも使用したい。ニワトリ生殖腺に発現する遺伝子をタンパク質レベルで解析する必要が出てくると思われるので、ペプチド抗体を幾つか外注して、実験に供するつもりである。その外注費用にあてる。蛋白の検出は蛍光による免疫組織染色を計画しており、その関連試薬にも消耗品として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A genttically female brain is required for a regular reproductive cycle in chicken brain chimeras2013

    • 著者名/発表者名
      F. Maekawa et. al.
    • 雑誌名

      nature communications

      巻: 4 ページ: 1372-1375

    • DOI

      10.1038/ncomms2372

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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