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2013 年度 実績報告書

脊椎動物の発生調節に頑健性を与える機構とその進化的起源

研究課題

研究課題/領域番号 23570256
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

荻野 肇  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (10273856)

キーワード発生・分化 / 進化 / ゲノム / 発現制御 / 遺伝子
研究概要

ツメガエルの4つのCOUP-TF関連遺伝子(COUP-TF I, COUP-TF II, Nr2f5, Nr2f6)に関して、アンチセンスモルフォリノを用いて、どの遺伝子の発現を抑制したときにどの遺伝子の発現が亢進するか調べたところ、発現を抑制したもの以外の発現が、いずれも少しずつ亢進していた。マウスではCOUP-TF IIの発現が低下するとCOUP-TF Iの発現が亢進するが、ツメガエルでは発現補完の仕組みが複数の関連遺伝子に分散していると考えられる。一方、COUP-TF IとCOUP-TF IIの間で保存されている後脳エンハンサーについて詳細な解析をおこなった。その結果、活性化を担う転写因子PbxとHoxの複合体の結合配列は、パラログ間でも種間でも保存されているが、抑制を担うCOUP-TFの結合配列は、マウスではコンセンサス配列に近いものが保存されているのに対して、ツメガエルではあまり保存されていないことがわかった。COUP-TF関連遺伝子群は、それらの産物の結合配列を介したクロストーク抑制により、お互いのエンハンサー活性を調整して発現量のバランスをとっていると考えられる。それゆえ、このようなエンハンサー配列の種差が、ツメガエルとマウスにおける発現補完制御の違いを生み出している可能性が示唆される。
また昨年の実験から、脊椎動物とナメクジウオのオーソログの間で、イントロン内のエンハンサーはその配列が明瞭に保存されていなくても、エキソンに対する位置が保存されていることが示唆された。この可能性をさらに検討するため、脊椎動物でイントロンエンハンサーが同定されている眼形成遺伝子Pax6について、エキソン・イントロン構造の保存性に基づいてナメクジウオの相同エンハンサーを探索した。その結果、ツメガエルの眼で活性を示すナメクジウオの相同エンハンサーを同定することができた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Essential roles of epithelial bone morphogenetic protein signaling during prostatic development.2014

    • 著者名/発表者名
      Omori, A., Miyagawa, S., Ogino, Y., Harada, M., Ishii, K., Sugimura, Y., Ogino, H., Nakagata, N. and Yamada, G.
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      10.1210/en.2013-2054

    • 査読あり
  • [学会発表] Evolution of a tissue-specific silencer underlies divergence in the expression of paralogues.

    • 著者名/発表者名
      Ogino, H.
    • 学会等名
      International symposium: Frontiers in Amphibian biology: Endangered species conservation and genome editing
    • 発表場所
      広島県東広島市 広島大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Six2とLhx1の腎幹細胞での発現を調節するシス配列の探索.

    • 著者名/発表者名
      佐々木裕子,田村友佳,星島和幸,荻野 肇,越智陽城
    • 学会等名
      第7回日本ツメガエル研究集会
    • 発表場所
      山口県美祢市 秋吉台国際芸術村
  • [学会発表] パラログ形成に伴うシス調節配列の進化.

    • 著者名/発表者名
      荻野 肇
    • 学会等名
      国立遺伝学研究所 研究集会「新機能獲得の分子進化」
    • 発表場所
      静岡県三島市 国立遺伝学研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] パラログ形成に伴うシス調節配列の進化.

    • 著者名/発表者名
      荻野 肇
    • 学会等名
      第3回 Tokyo Vertebrate Morphology Meeting
    • 発表場所
      東京都 慈恵医科大学
    • 招待講演
  • [学会発表] Role of Six1 in evolution of vertebrate primary sensory system.

    • 著者名/発表者名
      Kawakami, K., Yajima, H., Suzuki, M., Ochi, H., Ikeda, K., Sato, S., Ogino, H. and Ueno, N.
    • 学会等名
      第46回日本発生生物学会大会
    • 発表場所
      島根県松江市 くにびきメッセ
  • [学会発表] The cis-regulatory evolution for developmental robustness and stress response.

    • 著者名/発表者名
      Ochi, H., Kawaguchi, A., Sudou, N., Hoshijima, K. and Ogino, H.
    • 学会等名
      第46回日本発生生物学会大会
    • 発表場所
      島根県松江市 くにびきメッセ
  • [図書] New Principles in Developmental Processes2014

    • 著者名/発表者名
      Ochi, H., Kawaguchi, A. and Ogino, H.
    • 総ページ数
      317 (Chapter 21: 279-290)
    • 出版者
      Springer
  • [備考] 教員の紹介(荻野 肇)|長浜バイオ大学

    • URL

      http://www.nagahama-i-bio.ac.jp/guide/kyoin/detail/post-10.html

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公開日: 2015-05-28  

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