• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

葉緑体遺伝子の偽遺伝子化プロセスにおける翻訳不活性化の検証

研究課題

研究課題/領域番号 23570276
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

中邨 真之  名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 研究員 (60322145)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード葉緑体 / 翻訳 / 共生 / in vitro翻訳系 / リボソームタンパク質
研究概要

葉緑体はランソウ様の原核生物が宿主細胞に共生して生じた。葉緑体ゲノムは進化の過程で多くの遺伝子を宿主の核ゲノムへと移行させてきた。この葉緑体ゲノム進化の中間段階では、葉緑体ゲノムと核ゲノムの両方に存在する相同遺伝子が同時に機能し、その後、葉緑体ゲノムに存在する遺伝子の偽遺伝子化・消失がおこる。しかし、この偽遺伝子化プロセスについては不明のままである。本研究は、偽遺伝子化プロセスの一つとして葉緑体mRNAの翻訳活性が著しく低下していることを明らかにするため、核と葉緑体の両ゲノムに存在することが明らかとなっているタバコrps16遺伝子をモデルに研究を行う。本年度はタバコ葉緑体リボソームに含まれるS16タンパク質が、核ゲノム由来か葉緑体ゲノム由来がのどちらであるかを確認するため、以下の実験を行った。 (1)核由来S16タンパク質および葉緑体由来S16タンパク質抗体の作製 葉緑体由来S16タンパク質については、ホウレンソウの葉緑体S16タンパク質を認識する抗体をSubramanian教授より分与して頂くことができた。核ゲノム由来S16タンパク質抗体については、核ゲノムに存在するrps16遺伝子4種をクローニングし、リコンビナントタンパク質の作製を試みたが、リコンビナントタンパク質を得ることは困難であった。そこで、4種の核由来S16タンパク質間で保存性が高く、葉緑体由来S16タンパク質には存在しない領域をターゲットにしたペプチド抗体を作成した。 (2)葉緑体リボソームタンパク質の解析 タバコ葉緑体よりリボソームタンパク質を抽出し、上記(1)で作製した抗体を用いたウェスタン解析を行ったところ、葉緑体リボソームには核由来のS16タンパク質が含まれていることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた抗体作製について、核由来のS16タンパク質抗体はペプチド抗体を作成せざるを得なかったが、葉緑体由来のS16タンパク質抗体は既存のものが入手できたので、当初計画から遅れることなく研究を推進することができた。

今後の研究の推進方策

本年度の研究が当初計画通り順調に進展したので、今後も当初計画に沿って研究を推進していく。

次年度の研究費の使用計画

当初計画通りの使用予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Plastid-to-nucleus retrograde signals are essential for expression of nuclear starch biosynthesis genes during amyloplast differentiation in tobacco BY-2 cultured cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Enami, K., Ozawa, T., Motohashi, N., Nakamura, M., Tanaka, K. and Hanaoka, M.
    • 雑誌名

      Plant Physiol.

      巻: 157 ページ: 518-530

    • DOI

      10.1104/pp.111.178897

    • 査読あり
  • [学会発表] タバコ葉緑体rps16 mRNAの翻訳抑制のin vitro解析2012

    • 著者名/発表者名
      中邨真之、杉浦昌弘
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都)
    • 年月日
      2012年3月16日~18日
  • [学会発表] 高等植物において遺伝子コード領域の存在は転写型ジーンサイレンシングを抑制する2012

    • 著者名/発表者名
      松尾充啓、佐藤壮一郎、工藤久幸、安井孝彰、中邨真之、木村宏、山本義治、小保方潤一
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都)
    • 年月日
      2012年3月16日~18日
  • [学会発表] 遺伝子重複領域内のATG開始コドンが転写状態に与える影響について2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤壮一郎、松尾充啓、工藤久幸、木村宏、中邨真之、山本義治、小保方潤一
    • 学会等名
      第53回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      京都産業大学(京都)
    • 年月日
      2012年3月16日~18日
  • [学会発表] 植物の核ゲノムにはATG開始コドンを介したプロモーター機能領域の出現メカニズムがある2011

    • 著者名/発表者名
      松尾充啓、佐藤壮一郎、工藤久幸、木村宏、中邨真之、山本義治、小保方潤一
    • 学会等名
      日本遺伝学会83回大会
    • 発表場所
      京都大学(京都)
    • 年月日
      2011年9月20~22日
  • [学会発表] 植物ゲノム上でのプロモーター機能領域の出現に対するATG開始コドンの役割2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤壮一郎、松尾充啓、工藤久幸、木村宏、中邨真之、山本義治、小保方潤一
    • 学会等名
      日本植物学会第75回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      2011年9月17~19日
  • [学会発表] Analysis of the gene for chloroplast 30S ribosomal protein S16 in tobacco2011

    • 著者名/発表者名
      中邨真之、杉浦昌弘
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011年12月13~16日
  • [学会発表] 遺伝子重複領域内のATG開始コドンの保存性が転写状態の持続性に及ぼす影響について2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤壮一郎、松尾充啓、工藤久幸、木村宏、中邨真之、山本義治、小保方潤一
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      2011年12月13~16日
  • [学会発表] rps16 gene in tobacco chloroplasts is well transcribed and its transcript is correctly spliced, but mRNA is not translated.2011

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, M. and Sugiura, M.
    • 学会等名
      The EMBO Meeting 2011
    • 発表場所
      Austria Center Vienna (Vienna)
    • 年月日
      2011 Sep. 10-13

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi