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2012 年度 実施状況報告書

身体を基準とした方向認知と体性感覚に基づくヒューマンインタフェースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23570289
研究機関大阪市立大学

研究代表者

岡田 明  大阪市立大学, 生活科学研究科, 教授 (30158810)

研究分担者 渡部 嗣道  大阪市立大学, 生活科学研究科, 教授 (90314822)
キーワード操作方向 / 体性感覚 / ヒューマンインタフェース / 操作パフォーマンス
研究概要

この研究は,体性感覚や方向認知の特性を操作系へ適切に反映させることにより,安全で操作しやすいヒューマンインタフェースの構築を目指すものである.そのため2つのサブテーマ,すなわち1)身体を基準とする操作方向-出力イメージの認知的適合性に関する操作タスク実験と脳内活性化部位の変化に関する生理学的検討,および2)手ごたえ・触感が操作パフォーマンスや心理に与える影響に関する実験から構成される.
1年目におけるサブテーマ1では,左右の回転操作を行うノブを操作具とする実験装置を試作し,回転タスクを利き手と非利き手で行う際のパフォーマンス及び認知について検討した.その結果,自己中心の左右と客観的な左右の認知の違いを見出し,利き手は手の局所座標系に基づく方向認知をしていることが示唆された.サブテーマ2では,触力覚提示装置とパソコン画面上に描かれた仮想ボタンによるバーチャルリアリティシステムを開発し,ボタンのクリック感を対象としたタスク実験を試みた.その結果,クリック感を与える因子として,押し込み量,反力,反力の抜け具合の有効な組み合わせのあることを確認した.
続く2年目においては,1年目の結果に基づき研究計画の一部変更と実験装置の選択を含む検討を行った.装置については上述の機器に加え,新たに接触力センサーを導入し,操作する指の圧力も加えた操作パフォーマンスを評価できるシステムを構成することとした.また,生理面での計測については当初fMRIとNIRS計測を外部機関の装置を利用して行うことを計画していた.しかし,学内の簡易なNIRS装置でも有効なデータが取得可能であることが分かったため,それを用いた実験を試みることとした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

サブテーマ1:装置の試作とそれに基づくパフォーマンス実験は「研究実績の概要」に記載のとおり,1年目にその最初のステップを達成した.続く2年目は1年目の結果に基づく一部装置の変更と,予備実験を含む生理評価の検討を行った.
サブテーマ2:手ごたえフィードバックに関する研究は,1年目に実施した触力覚提示装置による実験に加え,新たに接触力センサーを導入し,それによる実験の計画を進めている.
以上より,新たな本実験によるデータ取得はいずれも3年目の初めに持ち越され,当初の予定よりやや遅れている部分はあるものの,全体的にはおおむね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

サブテーマ1においては,身体を基準とする操作方向-出力イメージの対応関係を明らかにするため,これまでのパフォーマンス評価だけでなく生理指標による評価を新たに加えていく準備を進めている.特に,利き手・非利き手の差異による操作上の精神的ストレスに着目し,NIRSおよび心拍変動性等を用いたパフォーマンス実験を行う計画である.
サブテーマ2においては,手ごたえや手の動きのフィードバックが操作パフォーマンスに与える影響を検討する準備を進めている.特に,これらのフィードバックが習熟効果を高めることの有効性に着目しており,その適切な与え方について検討する実験計画を進めている.
以上の研究を通じ,より直感的で有用性や安全性の高いヒューマンインタフェースの提案や構築につなげていく予定である.

次年度の研究費の使用計画

次年度は最終年度にあたり,実験によるデータの取得および結果の発表等に関わる支出が主な内容になる.具体的には,実験のランニングコスト(備消耗品,装置使用料等),被験者への謝金,および学会発表のための出張費等に費やされる予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 機器操作における体性感覚フィードバックの有効性2012

    • 著者名/発表者名
      岡田 明
    • 学会等名
      日本人間工学会第53回大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      20120609-20120610

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公開日: 2014-07-24  

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