研究課題
本研究では、イネの栽培化に関連した形質にどのような遺伝子が関与したのかを検証することを目的としている。そこで、栽培化関連形質遺伝子座における野生種および栽培種の対立遺伝子の作用を、栽培種と野生種の遺伝的背景を持つ以下の4つの戻し交雑自殖集団、Npb-W(供与親Oryza sativa Japonica Nipponbare、反復親O. rufipogon W630)、IR-W(供与親O. sativa Indica IR36、反復親O. rufipogon W630)、W-Npb(供与親O. rufipogon W630、反復親O. sativa Nipponbare)、W-IR(供与親O. rufipogon W630、反復親O. sativa IR36)を材料として調査した。最終年の平成25年度は、IR-W集団とW-IR集団を用いて、9つの栽培化関連形質(株の開帳性、穂の開帳性、種子色、芒の色、葉鞘の色、稈長、穂長、種穂までの日数、種子脱粒性)について調査を行い、ゲノム全体をほぼカバーする約180のマイクロサテライトマーカー座の遺伝子型のデータを用いて、QTL解析を行った。そして、前年度までに行った,Npb-W集団とW-Npb集団を用いた解析結果と比較することにより、野生種と栽培種の異なった遺伝的背景での栽培化関連遺伝子座の対立遺伝子の効果や、栽培種の日本型とインド型の2つの遺伝的背景における野生イネの遺伝子の効果を調べ、イネの栽培化の実態について総合的に考察した。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
Nature Genetics
巻: 45 ページ: 462-465
10.1038/ng.2567