研究課題/領域番号 |
23580007
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
長岐 清孝 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70305481)
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キーワード | 半数体 / 動原体 |
研究概要 |
本研究では、以下の手順で「動原体機能低下系統」の作出を試みている:(1)動原体機能低下系統の作出:内在性CENH3遺伝子発現をRNAiにより抑制すると共にGFPを 融合したCENH3を導入し、動原体の機能を低下させる。(2)動原体機能低下系統を用いた半数体の作出:動原体機能低下系統と野生型系統の交配により半数体を実際に得る。 平成24年度は、平成23年度に引き続き、「内在性CENH3発現抑制コンストラクト」および「GFP融合CENH3発現コンストラクト」をもつ形質転換体の作出を試みた。これらのコンストラクトを同時導入したが、同時導入される割合が低く「GFP融合CENH3をもち内在性のCENH3遺伝子の発現が抑制されている植物体」は得られなかった。 そこで、これらのコンストラクトを2段階に分けて導入した。1段階目として、「GFP融合CENH3発現コンストラクト」を導入し、抗生物質耐性をもつ植物体におけるGFP融合CENH3の細胞内局在を調べたところ、タバコにおいてGFP融合CENH3の動原体局在が確認された。また、ミヤコグサ、イネおよびシロイヌナズナの系統については、現在確認中である。加えて、同法をタバコと同じナス科植物であるトマトに試みたところ、GFP融合CENH3の動原体局在が確認された。 続いて、GFP融合CENH3の動原体局在が確認されたタバコおよびトマトの系統に対して、「内在性CENH3発現抑制コンストラクト」を導入し形質転換体を得た。得られた形質転換体の内在性CENH3の発現量をqPCRによって調べたが、「内在性のCENH3遺伝子の発現が抑制されている植物体」は無かった。現在、他の領域に再設計した抑制コンストラクトを導入した植物体の作出および再スクリーニングを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では作出した「動原体機能低下系統」を用いて、半数体を得ることを計画している。現在、作出を試みた5種のうち2種についてGFP融合CENH3の動原体局在を示す系統を得ているが、内在性CENH3の発現が抑制された系統がどの種でも得られていないので、進捗状況を「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、早急に「動原体機能低下系統」を作出し、半数体の作出に取りかかる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の研究費は、主に上記の植物系統の作出および管理を行うための研究補助員の「謝金」と消耗品として使用する。
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