研究課題/領域番号 |
23580010
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
明石 良 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (20253809)
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キーワード | FOXハンティングシステム / セイヨウミヤコグサ / 根の成長と分化 / 根粒形成 |
研究概要 |
本研究は、シロイヌナズナで構築されたFOXハンティングシステムを用いて、セイヨウミヤコグサ由来のユニークな根培養系(スーパールート)へ機能遺伝子をランダムに導入し、シロイヌナズナ由来の遺伝子がマメ科植物における根の成長と分化および根粒形成に対して影響をもたらす新規な遺伝子の探索を行うものである。本年度は、昨年度より引き続き行っている導入された遺伝子配列の同定と、既知および未知の遺伝子が導入されたFOX個体について地上部と地下部および根粒形成における特性調査を行った。 本年度は新たに導入された遺伝子配列が同定され、これらの配列を公的データベースで確認したが、新規なものは含まれていなかった。次年度も引き続き、未同定の系統について遺伝子配列の同定を試みる予定である。 一方、各個体における特性調査では、成長が旺盛な系統、成長に抑制がみられる系統、開花時期が早期化した系統などが見出された。これらの系統において、作物収量の増加や植物体の維持に関わる有用な系統として、地上部および地下部の成長が旺盛な系統を選抜した。これらの系統は、さらに詳細な調査を行うため、人工気象室において生育後、引き続き特性調査を行う。根粒形成において非形質転換体と差異が認められた系統は16系統あった。これらは、導入された遺伝子との関係についての調査と画像の取得を一部行い、データベース登録のための準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子が導入された各FOX個体について、地上部および地下部の形態調査は計画通り完了した。また、根粒形成に関する調査についても計画通り達成している。一方、塩基配列の同定についてはやや遅れており引き続き継続するが、来年度の実施項目であるデータベース登録のための画像取得については一部前倒しで進めているため、全体的な計画としては順調に進んでいる。以上のことから、研究の目的は概ね達成していると見なした。
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今後の研究の推進方策 |
申請者らにより作出した4倍体のミヤコグサとFOX個体を交配することでF1の採種を試みる。引き続き行うシーケンス解析は、増幅産物をTAクローニングし解析することで早期に解析を終了する。これまでの特性評価および形態のデジタル画像データをもとにデータベースを作成し、NBRPミヤコグサ・ダイズのLegume Baseに登録する。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品費は、特性調査を行う上で必要な植物育成に関わる培養ポットや土、シーケンス解析に必要な試薬類およびプラスチック器具類の購入に使用する。また、設備備品として、データベースに登録する情報を処理するためにコンピュータ一式を購入する予定である。その他、成果発表のための旅費および論文投稿料、光熱水費として使用する予定である。
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