育苗期と糊熟期の水稲での塩付着害と吸収害では、アミノ酸等の代謝物質の動態が異なった。また、糊熟期では両害間で穂部の水抽出液中成分量や組成が異なった。ケイ酸資材施用やケイ酸吸収阻害遺伝子の有無間での比較で、ケイ酸栄養状態を良好にした環境下では、体内のケイ酸含有率が高いほど糊熟期の塩付着害下でのアミノ酸等の代謝物質の増加程度は多くなった。被害および抵抗性発現機構の解明には至らず、過去の研究代表者の報告(ケイ酸による被害軽減)を基に、中干しや資材利用によるケイ酸吸収促進、塩付着害を軽減する生育量、コーティング資材の利用の可能性、ケイ酸資材の残効等の被害軽減技術を検討したが今後更なる検討を要する。
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