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2013 年度 実施状況報告書

アブラナ属作物における逸出・雑草化メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23580024
研究機関大阪府立大学

研究代表者

中山 祐一郎  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50322368)

研究分担者 保田 謙太郎  秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00549032)
キーワードアブラナ属 / 作物雑草化 / DNAマーカー / 植生動態 / 分布 / 侵略性
研究概要

1.アブラナ属作物の逸出・雑草化の実態
(1)品種を識別するDNAマーカーの開発:昨年度までに開発した葉緑体DNAマーカーに加え、アブラナ属植物内でBゲノムの存在を確認できるDNAマーカー(Schelfhout et al. , 2004)を組み合わせることによって、B. napus、B.juncea、B. rapa、B. oleraceaを識別できるようになった。
(2)アブラナ属作物品種の逸出地点の特定:調査地点を一級水系ごとに1つずつ選び、四国地方では8河川、九州地方では15河川、近畿地方では4河川、北陸地方では1河川を対象に、アブラナ属植物の開花・結実期にあたる3月~6月に走破し,生育地点を携帯型GPS端末に記録しながら各地点20個体程度の植物体を採集した。また、アブラナ属植物を景観作物として大規模に栽培している秋田県大型村では、圃場周辺や路傍に逸出している個体を採集した。採集した植物体の一部からDNAを抽出し,開発したDNAマーカーを用いて種を同定している。あわせて昨年度の調査で見出された逸出有用植物について、河川におけるナヨクサフジと山河区域におけるオオアワガエリの分布も調査した。
(3)雑草化による生態系や人間活動への影響(侵略性)の評価:大和川において,アブラナ属作物を含む外来植物の自生個体を除去した実験区と無処理区を設置して,植生動態のモニタリングを継続している。
2.アブラナ属作物の逸出・雑草化に関わる形質:作年度に同一条件下で栽培した栽培系統と雑草系統から得た種子について、雑草化に関わる形質である種子休眠性を発芽試験により調査している(継続中)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アブラナ属作物品種の逸出地点の特定(1-2)について,昨年度までに選定した調査地のうち30地点について収集を終え、DNAマーカーを用いた分析を進めている。
DNAマーカーについてはBゲノムを検出できるマーカーを加えたことによって、逸出が予想されるアブラナ属4種の全てを判別できるようになった。
雑草化による生態系や人間活動への影響(侵略性)の評価(1-3)について,アブラナ属作物を含む外来植物の自生個体を除去した実験区と無処理区での植生動態のモニタリングを継続しており、今後、データの取りまとめに入る。
アブラナ属作物の逸出・雑草化に関わる形質(2)について,生活史特性のうち種子発芽特性の系統間変異を検出している。
以上のように,25年度の計画はおおむね順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

1.アブラナ属作物の逸出・雑草化の実態
(2)アブラナ属作物品種の逸出地点の特定:近畿地方,中国地方,中部地方、北陸地方を中心に,アブラナ属植物の開花・結実期にあたる3月~6月に走破し,生育地点を携帯型GPS端末に記録し,各地点20個体程度の植物体を採集する。採集した植物体からDNAを抽出し,開発したDNAマーカーを用いて種を同定する。得られた位置情報と遺伝情報をGIS解析することによって,日本におけるアブラナ属作物品種の逸出地点をマッピングする。
(3)雑草化による生態系や人間活動への影響(侵略性)の評価:大阪府の大和川における植生動態のモニタリングによって得られたデータから,在来植物を中心とした生物多様性へ及ぼすアブラナ属植物の影響を評価する。
2.アブラナ属作物の逸出・雑草化に関わる形質:これまでに得た生活史やシードバンク形成にかかわる諸形質のデータから,逸出・雑草化に関わる形質の特定を試みる。

次年度の研究費の使用計画

残額は300円であり、ほぼ計画通りに使用した。
26年度に繰り越して使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新大和川の河川敷における外来植物の植生動態2013

    • 著者名/発表者名
      田中孝・中山祐一郎・保田謙太郎・植村修二
    • 学会等名
      日本雑草学会第52回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20130413-20130414

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公開日: 2015-05-28  

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