アブラナ属植物の河川における分布を、西日本の45の一級水系について調査したところ、ほとんどの河川において生育が認められたが、分布の密度や種構成は河川によって異なっていた。 大阪府の大和川では、アブラナ属のカラシナが堤防法面と中水敷に生育していた。外来植物を除去する実験の結果から、カラシナは、堤防法面では秋の草刈後に出来た裸地にすばやく侵入して優占しているが、中水敷では在来種を競争によって排除して優占していると考えられた。また、野生系統と栽培系統との比較栽培実験の結果から、アブラナ属植物は、競争環境と攪乱環境で有利に働く性質をあわせもつことによって、河川の様々な環境で生育が可能であると考えられた。
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