雑草の埋土種子の情報から発生雑草を予察できれば合理的な除草法選択が可能になるが、埋土種子分析は未だに実用化されていない。これは種子の形態だけに基づく同定が困難だからである。私たちは実体顕微鏡とカメラによる3次元計測で、現時点では判別が困難な5種のヒユ属草種の同定を試みた。その結果、3次元画像を容易に得る手法が判明し、数種の同定が可能になったが、3種の3次元データは相当程度重複した。その原因として、一つには3種の自然集団に交雑が生じている可能性が想定される。もう一つは3次元画像の精度不足による測定誤差の影響である。判別困難な3種も、3次元画像のさらなる精度の向上により同定が可能になると考える。
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