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2011 年度 実施状況報告書

種子散布から地上への出葉までに2回の冬を必要とする北方景観植物の種子休眠

研究課題

研究課題/領域番号 23580028
研究機関北海道大学

研究代表者

近藤 哲也  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10153727)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードスズラン / マイヅルソウ / 種子発芽 / 光 / 温度 / 胚成長 / 発根 / 出芽
研究概要

自生地からの種子採取:種子の熟期を確認するために自生地を数回訪れ、マイヅルソウは9月、スズランは10月に採種した。 野外実験における胚成長,発根および出芽のフェノロジー:種子の採取後直ちに,ミクロトームを用いて種子の切片を作成し,マイクロメータを装着した光学顕微鏡で胚の長さを測定した。残りの種子は不織布に入れて植木鉢に埋土し,毎月種子を堀りあげて胚長を測定している。発根時期の調査では不織布に種子を入れたものを24セット準備して,毎月1セットずつ堀りあげて発根率を調査している。発根した種子が出芽する時期を明らかにするために、種子を育苗箱に埋土して、今年の夏頃の発根を待っている。また,温度と胚成長,発根および出芽時期との関連を検討するために,地表面および土中の温度をデータロガーを用いて記録しつつある。 室内実験での発根のための温度と光要求:発根に必要な温度と光条件を明らかにするため、温度勾配恒温器とLED照明装置を用い,プラスチックシャ-レにロ紙を敷いた播種床に播種した。発芽床は蒸留滅菌で湿らせて,パラフィルムで密封して水分の蒸発を防いだ。光条件は,(1)暗黒条件(シャーレを2重のアルミ箔に包んで実験終了時まで観察しない),(2)明条件(1日12時間蛍光灯の光を照明),(3)緑色光条件(シャーレを2重のアルミ箔に包んで緑色光下で調査)を設けた。温度条件は,温度勾配恒温器や低温恒温器を用いて,種子散布後の野外の秋→冬→春→夏→秋のように四季を再現した温度区を基準とし,さらに,四季の温度の中で実際的に発根のために有効な温度を知るために,基準温度区を様々に変化させた処理区を設定した。2週間毎に発根状況の観察と水の補給を行っている。 発根種子が出芽するための温度条件:発根した種子が出芽するための温度条件を明らかにするために、種子を不織布に包んで野外に埋土し、今年の夏頃の発根を待っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は初年目なので、自生地からの種子の採種と予定された実験のセッティングが主な仕事となる。これまでの予備調査で自生地を確認しておいたため、スズランの種子およびマイヅルソウの種子ともに十分な数の種子が採集できたため、予定通りの実験計画を達成できた。しかし、マイヅルソウでは、結実率が低かったため、供試粒数は予定より少なくせざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

スズランの種子もマイヅルソウの種子も、昨年度に実験をセットしたが、複雑な休眠を要するため、発根には長期間を要する。野外では、今年の夏頃に発根し、来年の春に地上部に出芽すると推測される。同様に、室内実験でも種子を播種したシャーレをカビの発生を抑えながら、長期間維持しなくてはならない。すなわち、野外での胚成長や発根、および室内実験での発根のための実験は、今年度中に終了する予定である。しかしながら、発根した種子が出芽するための時期や温度、光要求の条件は、野外実験でも室内実験でも再来年度の春になるまで結果は得られないため、地道に調査実験を継続する。

次年度の研究費の使用計画

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マイヅルソウ(Maianthemum dilatatum)種子の発芽フェノロジーと発根に及ぼす温度と光の影響2011

    • 著者名/発表者名
      鄭亜紀子・斎藤達也・近藤哲也
    • 学会等名
      第41回日本緑化工学会大会・研究交流発表会
    • 発表場所
      千葉大学(千葉市)
    • 年月日
      2011年9 月12 日

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公開日: 2013-07-10  

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