研究課題/領域番号 |
23580032
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木下 剛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (30282453)
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研究分担者 |
YE 京禄 東京大学, 新領域創成科学研究科, 研究員 (10450347)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | グリーンスペース / 持続可能性 / 地域再生 / オープンスペース / グリーンインフラストラクチャー / 英国 / 政策研究 |
研究概要 |
1.グリーンスペース(GS)の法令上・計画上の概念規定 1)計画方針文書PPG/PPS(イングランド)、同SPP(スコットランド)、都市および農村計画法におけるGSの位置づけについて検討し、GSとオープンスペース(OS)との違いについて考察した。さらにGSとそれに類似した意図をもつグリーンインフラストラクチャー(GI)との違いについて予備的に考察した。2)また、ロンドン、シェフィールド、エディンバラ、グラスゴウにおけるGS/OS戦略の概要ならびに同計画におけるGS、OSの概念規定について、環境・社会・経済の持続可能性という観点より比較考察を行った。2.GSに関する計画・事業事例の現地調査 1)エディンバラ市役所において聞き取り調査を行い、同市OS戦略におけるOS、GSの概念規定、社会・経済・環境の持続可能性の観点からみた同戦略の意義について検証した。また、公園再生のための公園アセスメントの手法、GS再生に係るNPOと自治体との役割分担等について事業的な観点より把握した。2)GSの改修・整備を通じて持続可能な地域再生に取り組むNPO法人エディンバラ・ロジアン・グリーンスペース・トラストへの聞き取り調査並びに事業サイトの現地踏査を行い、GSやグリーンベルト再生、グリーンネットワーク形成の果たす社会・経済的な意義について評価分析を行った。3)GS政策の意図をより明確に理解するため、同じく社会・経済・環境の持続可能性を意図したGI政策に着目し、両者の比較検討を行った。GI政策を主導する環境食料農務省とその諮問機関であるナチュラルイングランド担当官への聞き取り調査を実施し、GIとGSの概念ならびに計画意図の違いについて把握した。4)同様に、GI関連事業に位置づけられる東ロンドンのグリーングリッド計画(リーバレーエリア)の現地調査を行い、それとの比較から、GS戦略の特徴を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査研究の結果、当初研究対象として想定した4つの政策メニューのうち、リージョナルパーク事業とコミュニティフォレスト事業については、グリーンスペースの位置づけが中心的ではないため、直接的な研究対象から除外した。その一方で、グリーンスペース政策の特徴や意義をより明確にするために、その比較対象項としてのオープンスペース戦略に関する検証を充実させた。また、新たな比較対象項として、グリーンインフラストラクチャー政策を加えた。
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今後の研究の推進方策 |
人件費・謝金について、文献資料や聞き取り調査結果の翻訳等に係る支出分を執行できなかったため、次年度に執行する予定である。その他については、研究成果の投稿料が執行できなかったが、同じく次年度に使用する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は旅費について支出予定額を超過した。次年度も同期間・同様の海外調査を複数回予定しているため、旅費の割合を増やすつもりであるが、これには平成23年度からの繰り越し分の一部も充当する予定である。
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