研究課題/領域番号 |
23580032
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木下 剛 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (30282453)
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研究分担者 |
YE 京禄 千葉大学, 園芸学研究科, 特任講師 (10450347)
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キーワード | グリーンスペース / グリーンインフラストラクチャー / オープンスペース / 公園緑地 / 緑地計画 / 空間計画 / 持続可能性 / 地域再生 |
研究概要 |
グリーンスペース(以下、GS)なる用語は、労働党政権下の計画方針ガイダンスに散見され、従来のオープンスペース(以下、OS)のうち自然的環境や植生、生物多様性等によって特徴づけられる土地概念として用いられてきた。OSが主にレクリエーショナルな利用効用に立脚した計画概念であるのに対して、GSは、経済・社会・環境をリンクする、いわゆる空間計画の文脈において頻出し、持続可能な地域の再生に資する土地管理概念としての性格が強い。一方、GSの存在効用、とりわけ土地自然のもつ生態学的なプロセスや環境保全機能に着目し、非公開の民有地や建造環境も含んだ計画・管理概念としてグリーンインフラストラクチャー(以下、GI)が重視されるようになっている。 従来のディベロップメントプランにおける法的な位置づけに加えて、国の計画方針ガイダンスに基づき、基礎自治体ごとに立案されるOS戦略/GS戦略によって、管内のOS/GSの戦略的な保全・創出方針が示されている。また、戦略に位置づけられていないローカルなOS/GSの保全・創出、基礎自治体を越えた広域でのOS/GSの保全・創出を通じて、地域の経済・社会の持続可能性に資する様々な事業が、行政とボランタリーセクターのパートナーシップにより重層的に進められている。また、民有地や建造環境に、OS/GSの存在効用・公益的機能を誘導する手段として、従来のOS/GS戦略に代わって、GI戦略が多くの基礎自治体で立案され始めている。 公園緑地政策における政策統合は、人口減少局面に入った地域の固有価値や競争力、レジリエンスを高める観点より期待される。日本では、投資効果、資産価値形成、観光、土地からの生産物、健康と福祉、社会的包摂、洪水・津波対策、気象変動の緩和等の機能をめぐって、経済・社会・環境政策を統合できる可能性がある。その際、GI戦略が有効な計画枠組みを提供してくれる。
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