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2013 年度 実績報告書

都市緑地におけるストレス緩和を目的としたナイトランドスケープの提案と効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 23580033
研究機関千葉大学

研究代表者

岩崎 寛  千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (70316040)

キーワードナイトランドスケープ / 夜間 / 緑地 / 都市緑化 / ストレス緩和 / 都市勤務者
研究概要

既往研究より、森林セラピーや園芸療法などの医科学的効果が検証され始めているが、それらの効果を実際に得るための手法やデザインに関する研究はほとんど見られない。例えば、ストレスを多く抱えている都市勤務者が緑地を通じてストレス緩和を求めたとしても、日中の勤務時間中に緑地で休憩を取ることは困難である。つまり都市域に緑地を増やすだけではなく、どのようにしてその効果を享受することができるかが重要課題である。そこで本研究では、勤務後である夕方以降の緑地の利用価値に着目し、「ナイトランドスケープ」として提案を行うと共に、夜間の緑地を利用することによる生理・心理的効果の検証を試みた。その結果、
1.都市域の屋上緑地で実施した実験結果から、夜間においても照明の適切な導入によって緑地での休憩によりストレスが緩和されることがわかった。これまでの研究では夜間の緑地においては治安面が問題とされていたが、屋上緑地という閉鎖的な環境では安心して利用できることなども明らかとなった。
2.海外での事例調査として韓国の清渓川において昼間と夜間による印象の違いや感情の違いなどの測定およびアンケート調査を実施した。その結果、昼間と夜間では同じ緑地でも利用者層が異なり、昼間は家族、夜間は勤務者や学生などの利用が多かった。また、緑量が多いことが心理的効果の向上に直接的に結びつくものではなく、他の施設とのバランスや照明との関係、空間配置など緑地の質に影響されることがわかった。韓国では日常的な緑地の夜間利用であるが日本では花見や紅葉の時期のみで日常的な利用はあまり見られなかった。今後は、安心して利用できる空間や照明、利用の提案が必要である。
これらの結果から、今後都市勤務者等のストレス緩和には夜間の都市緑地利用が有用であり、そのためには緑の質や配置を考慮した「ナイトランドスケープ」を取り入れることが重要であると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 都心の商業施設に創出された屋上緑地での利用者の行動と生活における効果2013

    • 著者名/発表者名
      那須 守・岩崎 寛・高岡由紀子・林 豊・金 侑映・石田 都
    • 雑誌名

      日本緑化工学会誌

      巻: 39 ページ: 62-67

    • 査読あり
  • [学会発表] 緑地の環境価値における住民の評価構造と行動クラスターに基づく比較評価2013

    • 著者名/発表者名
      那須 守・岩崎 寛・高岡由紀子・大塚芳嵩・金 侑映・石田 都
    • 学会等名
      建築学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20130831-20130831

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公開日: 2015-05-28  

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