グレープフルーツ様のアロマを持つ3-メルカプトヘキサノール(3MH)の前駆体として、システニルグリシン抱合体を果実から検出し、グルタチオン-S-トランスフェラーゼVvGST3およびVvGST4を本生合成系の鍵酵素として特定した。環境ストレス処理によって3MH前駆体生合成は促進され、併せてVvGST3、VvGST4の発現量も増加した。果実に含まれる3MH前駆体の推移は、栽培地域の標高に大きく左右されたが、いずれの栽培地域においても3MH前駆体蓄積量のピークは開花後16-18週頃であった。3MH前駆体の蓄積は日周性を示し、日の出付近の果実で最も多く蓄積し、日中から日の入りにかけて減少した。
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