九州東部の温暖地で収集したActnidia四倍体自生個体の形態と生殖特性を調査した.形態的特徴はA. rufa(シマサルナシ)と似通っていたが,花弁数,がく片色や毛じ,果形などは明らかに異なった.四倍体自生個体は両性花のみを着生し,花粉発芽率は40~61%であった.自家受粉により大半が結実し,多数の正常種子を有し,81%以上が発芽した.四倍体自生個体とA. chinensisキウイフルーツの四倍品種との交配により多数の種子が得られ65~92%が発芽した.以上の結果から,四倍体自生個体が機能的な両全性で,自家結実性を有することが明らかとなり,育種素材としての活用の可能性が示唆された.
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