ブドウ果皮の着色は年間で最高温となる時期と重なり、着色に関与する酵素の最適温度が25℃であるため、西南暖地では着色障害が発生しやすい。また、ブドウ栽培品種は芽の休眠打破にある程度の低温を必要とするため、亜熱帯地域ではブドウ産業が発達してこなかった。そこで、芽の休眠がなく、高温でも着色に優れる野生種リュウキュウガネブを用いて育成した‘香大農R-1’について、沖縄での生育特性を調査した。また、‘香大農R-1’やリュウキュウガネブを育種母本として既存の四倍体品種の改良に用いるため、試験管内倍加の方法について検討した。リュウキュウガネブ雄株の茎頂培養は今まで成功例がなかったが、今回初めて成功した。
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