本試験は、中山間地に多い傾斜耕地の傾きを栽培に逆に活用する発想で、キウイフルーツの斜立栽培樹形を開発しようとしたものである。本研究では、まず、キウイフルーツの生育特性の見きわめを行い、新梢伸長促進には先端を上方に誘引することが有効だが、直進伸長から巻き付き運動に成長相が一気に転換することが樹冠拡大を阻害し、この成長相転換にエチレンが関与することを明らかにした。樹形拡大期には、エチレン性の成長反応を回避させる整枝・誘引を行うべきで、エチレン生合成阻害剤処理も、新梢伸長促進手段として活用可能である。本研究では、実施期間内に高知県大豊町に、斜立栽培に適した棚施設モデルを設計・設営した。
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