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2011 年度 実施状況報告書

ナスの6種類の細胞質雄性不稔系統の発現様式及び特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23580046
研究機関佐賀大学

研究代表者

一色 司郎  佐賀大学, 農学部, 教授 (40253588)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードナス / 雄性不稔
研究概要

応募者はこれまで、戻し交雑核置換法によるナスの細胞質置換を行ってきた結果、Solanum anguivi、S. kurzii、S. violaceum、S. virginianum、S. aethiopicumおよびS. grandifoliumの各細胞質をもつ細胞質置換系統の育成に成功し、これらがすべてCMSを示すことを明らかにした.本研究では、これらの示す雄性不稔性の詳細について明らかにする。 まず、S. kurzii、S. violaceum、S. virginianumの細胞質をもつナス細胞質置換系統は、葯内に花粉を形成するものの、開花時に全く葯を開かない葯裂開不全型の雄性不稔性を示すことが明らかとなった。また、これらの雄性不稔性は約5ヶ月という比較的長い栽培期間で安定した雄性不稔性を示した。葯内の花粉の稔性は、どれも50%程度あった。しかし、花粉の人工培地上での発芽率はどれも10%未満であった。したがって、3系統とも雄性不稔性として実用レベルにあることが示唆された。 つぎに、S. anguivi、S. aethiopicumおよびS. grandifoliumの細胞質をもつナス細胞質置換系統は、葯内において花粉が全くできないという花粉形成不全型の雄性不稔性を示すことが明らかとなった。したがって、こちらの3系統も雄性不稔性として実用レベルにあることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Solanum anguivi、S. kurzii、S. violaceum、S. virginianum、S. aethiopicumおよびS. grandifoliumの各細胞質をもつナス細胞質置換系統が、葯裂開不全型および花粉形成不全型のいずれかの雄性不稔性を示すことを明らかにした。この点が大きく評価できる点である。

今後の研究の推進方策

今後は、花粉稔性に加えて種子稔性について詳しく調べる予定である。これによって、各CMSの発現の程度・様相を明らかにする。さらに、季節変化に対するCMSの発現の変化の有無についても明らかにする。 また、オルガネラの両性遺伝現象の解析も明らかにする予定である。各CMS系統を育成する際の各世代の実生について、細胞質DNA(葉緑体及びミトコンドリアDNA)を詳細に分析することでオルガネラの両性遺伝現象の様相を解明し、交雑による細胞質改変への応用の可能性を探る。 さらに、CMS系統識別法の開発も行う。CMS 系統が実用化された際の権利保護のために、葉緑体及びミトコンドリアのDNAマーカーによる各CMS 系統を同定できる識別法の開発を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成23年度に本研究費で導入したNano drop 2000を活用してDNAを定量し、効率よくDNAを分析する。特に、オルガネラの両性遺伝現象の解析を明らかにする予定である。実際には、葉緑体及びミトコンドリアDNAを詳細に分析する。 さらに、栽培して諸特性を調査するために圃場の整備およびガラス温室の整備を行う。特に、アセトカーミンなどの試薬で花粉稔性を調査する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Inheritance analysis of Rf genes in a MS eggplant2012

    • 著者名/発表者名
      Mst. Hasnunnahar, M. M. R. Khan, S. Isshiki
    • 雑誌名

      Australian Journal of Crop Science

      巻: 6 ページ: 475-479

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pollen and seed fertility of 3 MS eggplant2012

    • 著者名/発表者名
      Mst. Hasnunnahar, M. M. R. Khan, S. Isshiki
    • 雑誌名

      Scientia Horticulturae

      巻: 139 ページ: 58-61

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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