研究課題/領域番号 |
23580049
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00181652)
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研究分担者 |
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50179016)
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (00326282)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 緑地計画 / 公園計画 / 居住環境整備 / ニュータウン再生 |
研究概要 |
わが国の大規模ニュータウンでは少子・高齢化の急速な進展や施設の老朽化など構造的な変化によるマイナス面を抑制し、優れた資源を活用することによって持続的な発展方策を示すことが喫緊の課題となっている。本研究では、泉北ニュータウンを対象として、保存緑地を中心とした公園緑地系統の植生の変化とともにニュータウン居住者のライフスタイルの変化から捉えた新たな屋外ニーズを明らかにし、植生の目標像を明確化させるとともにその育成管理の方向性を探り、公園緑地系統の再編の方向性と市民参画型の管理運営の新たな仕組みを探ることを目的としている。まず、公園緑地系統の植生の変化と現況の評価について、緑地の管理形態の異なる土地利用種別と造成条件別にGIS上で緑地のデータベース化を行った。また、現況林の植生調査データや建設当時の植栽計画図から建設当時の植生及び現在の植生の把握を行った。次いで、泉北ニュータウンを拠点に活動しているテーマ型コミュニティに対してアンケート調査及びヒアリング調査を実施し、公園緑地系統の新たな管理主体としてのテーマ型コミュニティの可能性を探った。結果、公園緑地を利用したことのあるテーマ型コミュニティは、今後も公園緑地の利用意向が見られ、公園緑地が地域交流の場やコミュニケーションの場となることが期待されること、公園緑地での清掃、緑化、防犯活動、高齢者や障がい者の健康づくりや子どもの遊びを支援する活動などの管理運営への参画に関心を持つ団体も少なからず確認でき、公園緑地を利用したことのある団体やまちづくりに関する団体では地域の活性化活動への参画に関心を示す団体も多いこと、現状では人手や時間の確保が困難であることから公園緑地での新たな管理運営活動に取り組む団体は少ないものの、団体の活動時にできる清掃や防犯活動、団体の活動目的に合致した項目であれば管理運営への参加の可能性を有することを明確化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公園緑地系統の植生の変化と現況評価について、泉北ニュータウンの建設当時及び現在の植生の情報収集に努め、地理情報システム(GIS)上でのデータベース化を行った。また、当該年度当初に、研究計画を精査し、平成24年度に実施予定としていた本研究の主たる課題である環境管理主体としてのテーマ型コミュニティに対するアンケート調査及びヒアリング調査を平成23年度に実施し、研究成果を得ているため。
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今後の研究の推進方策 |
公園緑地系統の植生の変化と現況の評価を通じて、当初の予定のとおり目標とする植生像の明確化を図るとともに、居住者に対するアンケート調査を通じて、ニュータウン居住者の居住魅力となる公園緑地系統の可能性、公園緑地系統に対する新たなニーズを探る。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度当初に研究計画を精査し、平成23年度に当初平成24年度に実施予定であった本研究の主たる研究課題であるテーマ型コミュニティへのアンケート及びヒアリング調査を実施したため、平成23年度の研究費執行額が軽減された。平成24年度には、当初平成23年度に予定していた調査内容を実施することから、平成23年度の残額を執行する予定である。
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