ラベンダー精油の香調改変を目的として,1)遺伝解析に有効なSSRマーカーの作成,および2)精油の主要成分の一つであるリモネン合成酵素遺伝子を導入した形質転換体の作出を行った.ラバンジンのゲノムDNAからSSR配列を単離し,11マーカーを作出できた.これらマーカーはLavandula節植物の識別に有効であり,他の遠縁種でも一部利用可能であった.また,リモネン合成酵素遺伝子を導入したラバンジンでは,葉においてリモネンのみならず他の環化モノテルペンの生産が増加しており,他方,花穂ではリモネンとリナロールの生産が抑制され,器官によって導入遺伝子が異なる挙動を示すことが明らかとなった.
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