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2011 年度 実施状況報告書

サクラの園芸品種の形態による分類の再検討と品種原木の保全―菊咲き性を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 23580058
研究機関(財)花と緑の銀行

研究代表者

大原 隆明  (財)花と緑の銀行, その他部局等, 研究員 (40393110)

研究分担者 神戸 敏成  (財)花と緑の銀行, その他部局等, 研究員 (00393108)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードサクラ / 分類学 / 組織培養 / 園芸利用
研究概要

1.菊咲き性サクラ品種の分類学的調査:菊咲き性のサクラ品種は石川県および富山県に集中して分布しており、過去の文献などからは両県下には樹齢40年以上の古木は38箇所に存在することが知られていたが、23年度の調査で新たに3箇所での生育を確認できたため、計41箇所に存在することが判明した。23年度にはこのうちの23箇所の個体についてサンプリングおよび形態調査を行った。その結果、以下の2個体が過去に記載のない新品種であることが判明し、学会発表を行った。(1)富山県入善町「杉沢の沢スギ」林内の個体:カスミオクチョウジザクラ(カスミザクラ×オクチョウジザクラ)の菊咲き性個体であり、既知の品種に比して花弁が顕著に細長いなどの特徴があることが判明した。自生品の菊咲き性品種としてはフジキクザクラに次ぐ2例目に当たる貴重なものであった。入善町と協議の上「ニュウゼンオトメキクザクラ」と名称を決定し、マスコミでも全国的に報道された。(2)石川県加賀市橋立の個体:純粋なヤマザクラの菊咲き性個体であり、花弁に黄緑色の部分が混在するなどのユニークな特徴を示す。名称等については今後加賀市教育委員会と協議の上で決定する予定である。2.菊咲き性サクラ品種の増殖研究:8品種について挿し木、接ぎ木および組織培養による増殖調査を開始した。このうち富山県立中央農業高校と協力して行ったジョウキョウジテマリザクラの冬芽培養による増殖実験では適切な培養条件を見出すことに成功し、複数の新個体を得ることができた。この成果は学会発表を行い、富山県内のマスコミでも広く報道された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分類学的調査:富山・石川両県の41箇所に存在する調査対象木のうち、過半数に当たる23箇所について調査を終了した。また、新品種に関する学会発表も2件行っており、順調に研究が進行していると考えている。増殖に関する研究:1品種についてかなり良好な結果が得られており、その他の品種についてもこの成果を応用できることが予想されるため、順調に研究が進行していると考えている。

今後の研究の推進方策

分類学的調査:調査対象木のうち、未調査である18箇所のものについて同様にサンプリングおよび形態調査を行う予定である。増殖に関する研究:さらに多品種の増殖について、組織培養を中心に研究を進める予定である。

次年度の研究費の使用計画

分類学的調査:比較材料収集および学会発表のための旅費や、サンプリングおよび標本作成に使用する消耗品費として使用する予定である。増殖に関する研究:学会発表のための旅費、実験補助のための謝金、土や薬品などを購入する消耗品費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ヤマザクラの菊咲き性新品種‘ジョウキョウジテマリザクラ’の組織培養による増殖2012

    • 著者名/発表者名
      岡田雄治、神戸敏成、中田政司、大原隆明ほか
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2012年3月29日
  • [学会発表] 石川県加賀市で見出された菊咲き性のサクラの一新栽培品種2011

    • 著者名/発表者名
      大原隆明、千木容
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2011年9月25日
  • [学会発表] 富山県入善町で見出された菊咲き性のサクラの一新品種2011

    • 著者名/発表者名
      今西保奈美、大原隆明ほか
    • 学会等名
      日本櫻学会
    • 発表場所
      玉川大学
    • 年月日
      2011年12月3日

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公開日: 2013-07-10  

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