研究課題/領域番号 |
23580064
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (70264687)
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キーワード | 非宿主抵抗性 / イネいもち病菌 / シロイヌナズナ |
研究概要 |
本研究の目的は,植物のイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性(侵入・伸展抵抗性)を制御する新規遺伝子の単離と機能解析および制御遺伝子間ネットワーク機構の解析を行い,重要な制御因子を明らかにするとともに非宿主抵抗性の全体像を理解することである. 本年度は,シロイヌナズナpen2 NahG pmr5 agb1 mlo2変異体におけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性の解析を行った.その結果,pen2 NahG pmr5 agb1 mlo2変異体におけるイネいもち病菌に対する侵入抵抗性は,pen2 NahG pmr5 agb1変異体およびpen2 NahG pmr5 mlo2変異体における侵入抵抗性よりも顕著に低下するが,伸展抵抗性は変化しないことが明らかとなった.この結果から,PEN2, PMR5, AGB1, およびMLO2は,侵入抵抗性と伸展抵抗性において正の制御因子として機能しているが,これらの因子が機能する遺伝学的ネットワークは互いに異なることが示唆された. 次に,pen2多重変異体においてイネいもち病菌感染時に発現する受容体キナーゼ遺伝子の機能解析を行った.受容体キナーゼ遺伝子のノックアウト個体におけるイネいもち病菌に対する侵入抵抗性について調べたところ,侵入抵抗性が低下したと考えられる個体を見つけることが出来た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究により,シロイヌナズナのPEN2, PMR5, AGB1, およびMLO2は,イネいもち病菌に対する侵入抵抗性および伸展抵抗性において正の制御因子として機能しているが,それら抵抗性の遺伝学的ネットワークは互いに異なることを明らかとなった. また,侵入抵抗性に関与すると推定される受容体キナーゼ遺伝子候補を同定した. 以上のことから,到達目標通りの成果を上がることができたと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,今年度が最終年度であったが,1年間延長することになった(承認済み). 次年度は,侵入抵抗性を制御する新規遺伝子同定に向けて,新たなノックアウト個体の解析を行う予定である.未使用額はその経費に充てる予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度に、侵入抵抗性を制御する新規遺伝子の同定を行い、それらの侵入抵抗性における機能について解析する予定であったが、候補遺伝子が多数見つかったため、機能解析のためのノックアウト個体の入手が完了していない遺伝子が存在する。そこで計画を変更し、未入手ノックアウト個体の解析を次年度に行うことにしたため、次年度使用額が生じた。 未入手ノックアウト個体の解析を次年度に行う。 未使用額はその経費に充てる。
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