研究課題/領域番号 |
23580070
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
石田 裕幸 富山県立大学, その他部局等, 研究員 (90509861)
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研究分担者 |
宮澤 光博 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (90370684)
山崎 俊正 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (40360458)
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キーワード | クロオオアリ / Niemann-Pick Type C-2 / 組織局在性 / 蛍光拮抗アッセイ |
研究概要 |
1. リコンビナントCjapNPC2の大量発現系、精製法を改良し、結晶化に必要な条件を整えた。 2. 1より、大量のリコンビナントタンパク質を得られたことから、CjapNPC2の円偏光二色性の計測を開始し、条件検討を進めた。 3. CjapNPC2の推定アミノ酸配列を基にペプチド抗体を作製し、ワーカー触角抽出物に対するウエスタンブロッティングを試みた。予想に反して、同抗血清は複数のタンパク質を認識した。そのため抗原ペプチドを樹脂に結合させたアフィニティカラムを作製し、特異抗体を作製した。しかし、精製抗体も複数のタンパク質と反応した。そこで、1で得られたリコンビナントタンパク質を抗原とし、再度抗血清を作製した。得られた抗血清はウエスタンブロッティングで12 KDaのタンパク質を検出した。 4. 2の抗血清を用いて免疫染色を行った。同抗体は匂い受容感覚子の感覚子腔に特異的に局在していることを明らかにした。以上の組織局在性からCjapNPC2は匂い受容分子機構において、匂い物質結合タンパク質と類似した機能を有すると推察した。 5. リコンビナントCjapNPC2に対するリガンドを探索するため、蛍光拮抗結合アッセイの条件化をし、いくつかの疎水性リガンドを同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初に合成ペプチドを抗原として作製した抗血清の特異性が低く、そのため、リコンビナントタンパク質を抗原として再度抗血清を作製することで少々計画が後ろにずれた。しかし、それ以外はおおむね申請時の計画どおり進行した。今後のCjapNPC2の結晶化と構造解析、円偏光二色性解析、結合アッセイは順調に進むと期待している。
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今後の研究の推進方策 |
1. これまでの予備実験を基に、CjapNPC2を結晶化し、X線解析による構造解析をする。 2. 円偏光二色性解析により、二次構造を解析する。 3. 蛍光拮抗結合アッセイにより、これまでにいくつかの疎水性リガンドを同定したが、さらに種々の揮発性物質に対する結合能を解析する。 4. 3年間の研究成果を論文にまとめ発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画の最終年度として、すべての解析実験を完了する。そのため、タンパク質構造解析に必要な結晶用プレート、円偏光二色性解析に使用する試薬、蛍光拮抗結合アッセイにしようする蛍光レポーターやリガンドと期待される種々の化合物などの消耗品、論文にまとめる際のディスカッションのための旅費、また研究成果を発表するための科学雑誌への投稿料などへ使用する予定である。
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