巣仲間認識に関わるアリ触角特異的コレステロール結合タンパク質の性状と機能解析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23580070
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用昆虫学
• 研究機関: 富山県立大学 (2012-2013); 神戸大学 (2011)
• 研究代表者: 石田 裕幸 富山県立大学, その他部局等, 研究員 (90509861)
• 研究分担者: 山崎 俊正 独立法人農業生物資源研究所, 農業生物先端ゲノム研究センター, ユニット長 (40360458) ; 宮澤 光博 独立法人農業生物資源研究所, 農業生物先端ゲノム研究センター, ユニット長 (90370684)
• 連携研究者: 石橋 純 独立法人農業生物資源研究所, 農業生物先端ゲノム研究センター, 主任研究員 (20391576)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: ニーマンピック2型タンパク質 / クロオオアリワーカー / 蛍光拮抗アッセイ / 円偏光二色性 / GC-EAD / 結晶化学 / 情報伝達物質

研究概要

クロオオアリワーカー触角特異的に発現するニーマンピック2型に相同性の高いタンパク質を同定した。ヒトでは細胞内のコレステロールを運搬する機能を有するが、アリでは特定の触角感覚子腔内に局在し、様々な脂肪酸、アルコール、酢酸化合物の情報伝達物質を運搬していることが、遺伝子解析、質量分析、生化学解析、円偏光二色性解析、免疫組織化学解析、触角の活動電位解析より明らかにした。さらに、結晶構造解析より、同タンパク質がβ構造に富み、柔軟な結合ポケットが様々なリガンドとの結合が可能であること、また低pH条件下でリガンドを放出する分子機構を明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] Niemann-Pick type C2 protein mediating chemical communication in the worker ant (2014)
  • 著者名/発表者名: Ishida, Y., Tsuchiya, W., Fujii, T., Fujimoto, Z., Miyazawa, M., Ishibashi, J., Matsuyama, S., Ishikawa, Y., and Yamazaki, T
  • 雑誌名: Proc. Natl. Acad. Sci. USA 巻: 111 ページ: 3847-3852
  • DOI: 10.1073/pnas.1323928111
• [雑誌論文] Fatty acid solubilizer from the oral disk of the blowfly (2013)
  • 著者名/発表者名: Ishida, Y., Ishibashi, J., and Leal, W. S
  • 雑誌名: PLoS ONE 巻: 8 ページ: e51779
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0051779
• [雑誌論文] カイコ蛾フェロモン結合タンパク質のフォールディングと動的挙動 (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮澤光博、石田裕幸、Leal, W. S
  • 雑誌名: 蚕糸・昆虫バイオテック 巻: 81 ページ: 131-137
• [雑誌論文] 昆虫の嗅覚・味覚受容に与る感覚子の機能と水の関係 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石田裕幸
  • 雑誌名: 蚕糸・昆虫バイオテック 巻: 81 ページ: 23-30
• [雑誌論文] A water-specific aquaporin is expressed in the olfactory organs of the blowfly, Phormia regina (2012)
  • 著者名/発表者名: Ishida, Y., Nagae, T., and Azuma, M.
  • 雑誌名: J. Chem. Ecol 巻: 38 ページ: 1057-1061
  • DOI: 10.1007/s10886-012-0157-z
• [雑誌論文] Aversive odorant causing appetite decrease down-regulates tyrosine decarboxylase gene expression in the olfactory receptor neuron of the blowfly (2012)
  • 著者名/発表者名: Ishida, Y. , and Ozaki, M
  • 雑誌名: Phormia regina. Naturwissenschaften 巻: 99 ページ: 71-75
  • DOI: 10.1007/s00114-011-0865-1
• [学会発表] クロキンバエ口盤特異的に蓄積する脂肪酸可溶化タンパク質の同定、局在性 (2013)
  • 著者名/発表者名: 石田裕幸・石橋純・Walter S. Leal
  • 学会等名: 平成25年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • 発表場所: 農林水産技術会議事務局筑波事務所本館
  • 年月日: 20130318-19
• [学会発表] クロキンバエの匂い受容器官で発現するアクアポリンの同定、局在性クロキンバエにおける忌避匂い物質による食欲減退機構:チラミン生合成酵素、代謝酵素、受容体遺伝子の発現と局在性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石田裕幸・永江知音
  • 学会等名: 東政明2012年日本蚕糸学会合同支部大会
  • 発表場所: 信州大学繊維学部
  • 年月日: 20121110-11
• [学会発表] クロキンバエにおける忌避匂い物質による食欲減退機構:チラミン生合成酵素、代謝酵素、受容体遺伝子の発現と局在性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石田裕幸・尾崎まみこ
  • 学会等名: 第56回日本応用動物昆虫学会大会
  • 発表場所: 近畿大学奈良キャンパス
  • 年月日: 20120327-29
• [学会発表] クロオオアリワーカー触角特異的ヒトコレステロール結合タンパク質類似タンパク質の同定、発現、性状 (2012)
  • 著者名/発表者名: 石田裕幸・土屋渉・石橋純・宮澤光博・山崎俊正
  • 学会等名: 平成24年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
  • 発表場所: 九州大学箱崎キャンパス文系地区
  • 年月日: 20120318-19
• [備考] 富山県立大学
  • URL: http://www.pref.toyama.jp/cms_press/2014/20140226/00013949.pdf
• [備考] 農業生物資源研究所
  • URL: http://www.nias.affrc.go.jp/press/2014/20140224/index.html
• [備考] 東京大学
  • URL: https://sites.google.com/a/utlae.org/jp/home/announcements/fushanxianlidaxue%E3%80%81shengwuyan%E3%80%81zhubodatonogongtongyanjiugapnasnijiezai
• [備考] 共同通信PRワイヤー、CNET Japan、産経新聞、中日新聞、農業協同組合新聞、日本農業新聞、化学工業日報、北日本新聞、富山新聞など様々なメディアで本研究成果(雑誌論文1)が紹介された。
• [備考] 講演, クロオオアリワーカー触角特異的情報伝達物質運搬タンパク質の同定、機能解析、構造決定
• [備考] 石田裕幸, 名古屋大学大学院生命農学研究科20140328