昆虫の過変態における遺伝子発現や内分泌機構を調べるために、過変態昆虫の代表であるマメハンミョウについて、同じ温度のもとで光周期だけの違いによって、4齢から5齢への変態(擬蛹化)と4齢からの直接の蛹化を調節できる飼育条件を見つけ出した。また、擬蛹(5齢)での休眠は、休眠を誘導した条件に置いておくと休眠は長期間にわたって維持され、6齢になることはないが、温度処理を行うことによって休眠を終了させ、6齢にすることができることを明らかにした。このような方法を駆使して、実験室内での累代飼育(1年に5~6世代)が可能になった。上記のように、擬蛹化と蛹化予定の幼虫を産み出すことが可能になったので、それぞれの幼虫における遺伝子発現の差異をRNA-seqによって調べたところ、コクヌストモドキなどモデル昆虫で知られている変態のキー遺伝子の発現に差異がみられた。
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