菌根形成したネギ(Allium fistulosum)を異なるリン施肥段階の土壌で生育させ、菌糸区画の土壌溶液中ACP活性の低リンへの応答を検証した。30μmのナイロンバックによって菌根区画と菌糸区画に分けられたポットに4つのリン施肥段階(0(P0)、0.15(P0.15)、0.3(P0.3)、および0.5(P0.5) g P2O5/kg)の滅菌黒ボク土をそれぞれ加えた。接種区にRhizophagus clarusGlomus clarum (系統IDが必要では?)を加え、非接種区では加えなかった。菌糸区画の土壌にムライトセラミックチューブを配置し、ネギを播種した。播種後40および45日目にチューブにシリンジを繋げて減圧して土壌溶液を回収し、ACP活性を測定した。回収後に、菌根形成率、地上部リン含有率、および地上部乾物重を測定した。 菌根形成率は接種区では85%以上で、非接種区では0%だった。地上部リン吸収量、地上部乾物重は非接種区よりも接種区で高かった。土壌溶液中のACP活性は播種後40日目および45日目のいずれでも、接種区ではP0区で高く、P0.5で低かったが、非接種区ではP0とP0.5の間に差は無かった。P0区において接種区は非接種区よりも高かったが、P0.5区では接種区と非接種区の間に差は無かった。これらの結果からAM菌の外生菌糸が浸出するACPは低リン条件下で誘導されることが示唆された。
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