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2013 年度 実績報告書

チャの硝酸吸収同化関連遺伝子のクローニングとその発現制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23580088
研究機関静岡大学

研究代表者

森田 明雄  静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20324337)

研究分担者 一家 崇志  静岡大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90580647)
キーワードチャ / 硝酸還元酵素 / 硝酸トランスポーター / 硝酸同化
研究概要

本研究では,チャの硝酸還元酵素 (CsNR),亜硝酸還元酵素 (CsNiR) と硝酸トランスポーター遺伝子 (CsNRT) の単離および発現特性の解析を行った.
CsNR,CsNiRおよびCsNRTについてDegenerate PCRによる新規相同遺伝子の単離を試みた結果,CsNRとCsNiRについては新規相同遺伝子の単離には至らなかったが,CsNRTに関してはシロイヌナズナで単離されているAtNRT1.1,AtNRT1.2およびAtNRT1.5のオーソログと思われるCsNRT1.1,CsNRT1.2およびCsNRT1.5の全長配列獲得に成功した.また,CsNRゲノム配列の解析を行ったところ,これまでにゲノム配列が報告されているいくつかの植物種と同様に,4つのエキソンと3つのイントロンから構成されていた.また,解析の結果CsNRは約16 kbp,CsNiRは約9 kbpであることがわかった.
単離した遺伝子の窒素栄養応答性を調査したところ,これら遺伝子の転写量は硝酸濃度の上昇に伴い増加し,アンモニア濃度の増加に伴い減少する傾向が見られ,チャにおいてもN栄養に応答した転写調節が行われていることが示唆された.また,硝酸を唯一の窒素源として栽培したところ,新葉と根における硝酸含量の有意な増加がみられたが,新芽の生育量および葉色値,新葉と根の全窒素および遊離アミノ酸含量が低下したことから,チャの硝酸吸収同化活性がアンモニアに比べ低いことが確かめられた.さらに,CsNRTsの転写レベルはシロイヌナズナのそれらと比べても低いことが分かった.この他にも,チャ品種間におけるこれら遺伝子の転写量が一部のアッサム系品種において中国種と異なる傾向が見られた.
以上の結果から,チャの硝酸吸収・同化活性が低い原因は,転写調節過程にあり地上部への硝酸輸送が制限されていることに起因することが示唆された.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Cloning and Characterization of Inorganic Nitrogen Transporter of Tea Plant (Camellia sinensis L.)2014

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke Take, Takuya Baba, Akio Morita, Takashi Ikka
    • 雑誌名

      Proceedings of the 5th International Conference on O-CHA (Tea) Culture and Science

      巻: ICOS2013 ページ: PR-P-35

  • [雑誌論文] Isolation and Characterization of Nitrate Reductase in Tea Plant (Camellia sinensis. L)2014

    • 著者名/発表者名
      Takuya Baba, Ryosuke Take, Hideyuki Katai, Yasutaka Suzuki, Akio Morita, Takashi Ikka
    • 雑誌名

      Proceedings of the 5th International Conference on O-CHA (Tea) Culture and Science

      巻: ICOS2013 ページ: PR-P-49

  • [学会発表] Cloning and Characterization of Inorganic Nitrogen Transporter of Tea Plant (Camellia sinensis L.)2013

    • 著者名/発表者名
      Ryosuke Take, Takuya Baba, Akio Morita, Takashi Ikka
    • 学会等名
      The 5th International Conference on O-CHA (Tea) Culture and Science
    • 発表場所
      グランシップ静岡
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [学会発表] Isolation and Characterization of Nitrate Reductase in Tea Plant (Camellia sinensis. L)2013

    • 著者名/発表者名
      Takuya Baba, Ryosuke Take, Hideyuki Katai, Yasutaka Suzuki, Akio Morita, Takashi Ikka
    • 学会等名
      The 5th International Conference on O-CHA (Tea) Culture and Science
    • 発表場所
      グランシップ静岡
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [学会発表] チャ品種間における硝酸還元酵素遺伝子の発現特性2013

    • 著者名/発表者名
      馬場拓也,片井秀幸,鈴木康孝,一家崇志,森田明雄
    • 学会等名
      日本育種学会
    • 発表場所
      鹿児島大学
    • 年月日
      2013-10-13
  • [学会発表] チャの無機態窒素トランスポーターの単離とその発現特性の解析2013

    • 著者名/発表者名
      武亮介,一家崇志,森田明雄
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2013-09-12
  • [学会発表] チャの硝酸同化系酵素の発現特性の解析2013

    • 著者名/発表者名
      馬場拓也,一家崇志,森田明雄
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2013-09-12

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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