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2012 年度 実施状況報告書

グルタミン酸生産菌の代謝工学の新展開:オキサロ酢酸過剰生産型代謝への改変

研究課題

研究課題/領域番号 23580096
研究機関北海道大学

研究代表者

和田 大  北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (00301416)

キーワードコリネ型細菌 / オキサロ酢酸 / 代謝工学
研究概要

【目的および背景】オキサロ酢酸 (OAA)はリジンやスレオニンなどアスパラギン酸 (Asp)系アミノ酸の前駆体であるため、OAAの円滑な供給はこれらの発酵生産において重要である。そこで本研究課題では、アミノ酸生産菌Corynebacterium glutamicumのOAA供給能強化に向けた代謝改変を目指している。細胞内においてOAAは様々な代謝経路への分岐点となっており、多数の酵素が生成と分解に関わるため、OAAをAsp系アミノ酸生合成に選択的に供給することは難しい。これまでの知見から、ピルビン酸キナーゼの欠失 (PYK-)、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼの脱感作 (PEPCfbr)、クエン酸シンターゼの活性低下 (CSL)の3種類の変異はAsp生成量を増加させることから、OAA供給量を強化することが示唆されている。そこで本研究課題では、グルタミン酸生産条件 (biotin制限条件)において、これら変異の組合せがOAAの供給に与える影響を検討した。
【方法と結果】野生株 C. glutamicum ATCC13032のゲノム上に3種類の変異 (PYK-, PEPCfbr, CSL)を単独または組合せて導入し、発酵培地でbiotinを制限して培養した。OAAの蓄積はAspの生成量を指標として評価した。その結果、3種類の変異を単独で導入した株は全て親株と比べAsp生成量が増加した。また、変異を2重、3重と組合せると、Asp生成量が更に向上した。したがって、これらの変異それぞれが、OAAのAsp系アミノ酸生合成経路への供給を強化する効果があり、また、これらの変異には相乗効果があることが示された。現在、ジャーファーメンターを用いた培養を行い、更に詳細な解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画では平成24年度はPYK欠失変異に加えて、PEPCxのアスパラギン酸によるフィードバック阻害解除が、アミノ酸生産に与える影響を解析する予定であったが、それは達成された。さらにPYK欠失との組み合わせの評価も行った。平成24年度の研究計画では、複数変異の効果を確認する研究計画になっているので、順調に進展している。さらにクエン酸シンターゼの活性低下変異に関しても、検討に着手している。

今後の研究の推進方策

平成25年度で補助事業を辞退するため記入しない。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Corynebacterium glutamicumのオキサロ酢酸供給強化に向けた代謝改変2012

    • 著者名/発表者名
      小倉紘太郎、澤田和典、萩原拓也、柳瀬真紀、和田 大、横田 篤
    • 学会等名
      第64回日本生物工学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(神戸市)
    • 年月日
      20121023-20121026
  • [学会発表] Metabolic Engineering for Oxaloacetate Accumulation through Pyruvate kinase deletion in Corynebacterium glutamicum2012

    • 著者名/発表者名
      Kazunori Sawada, Masaru Wada, Takuya Hagiwara, Atsushi Yokota
    • 学会等名
      Metabolic Engineering IX
    • 発表場所
      Le Bellevue congress and Exhibition Centre, France
    • 年月日
      20120703-20120707

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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