研究課題
基盤研究(C)
我々は、これまでにプレバイオティクスの候補として難消化性オリゴ糖DFAIIIを開発し、その資化性腸内細菌としてRuminococcus productus AHU1760 をヒトから単離した。本研究では、既知のシンバイオティクスであるフラクトオリゴ糖(FOS)とBifidobacterium breve JCM1192Tと腸内挙動を比較することで、DFAIIIとRuminococcus productus AHU1760 が、新たなシンバイオティクス(善玉菌と難消化オリゴ糖の組み合わせ)となる可能性を検証し評価した。試験は、5週齢のSD系雄ラット用いた。標準食を対照群とし、加えてDFAIII とR.Productus AHU1760 の投与群、さらにFOS とB. breve JCM1192T の投与群を用いてシンバイティクスの評価を行った。また試薬のFOS にかえて自然素材のヤーコンも比較試験した。油脂を添加した高脂肪餌条件でもラットを飼育した。30日間の試験飼育を行い、その間のラットの健康状態、解剖後の消化管内容物の多岐にわたる項目を試験した。いずれのシンバイオティクスでも糞便、盲腸内容物のpH 低下、有機酸量の増加がみられ旺盛な腸内発酵を裏付けた。微生物は盛んに生育して腸内環境を健康な状態へと変化・維持させていた。DFAIII とR. productus AHU1760 の組み合わせの方が腸内発酵性は優秀で、特に高脂肪食のストレスの高い腸内環境でも優れた腸内発酵を示した。血清コレステロールの減少傾向も観察された。試薬FOS と比較して等量のFOS を含有するヤーコンパウダーの摂取は、より速い菌叢変化を起こし、ヤーコン含有物の複合効果が示された。
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Biosci. Microbiota, Food and Health
巻: 32 ページ: 167-178