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2012 年度 実施状況報告書

出芽酵母オートファジーにおける小胞輸送ネットワークおよび膜融合機構の役割

研究課題

研究課題/領域番号 23580099
研究機関東北大学

研究代表者

新谷 尚弘  東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70374973)

キーワードオートファジー / 出芽酵母
研究概要

昨年度は輸送小胞の膜融合に関わるSNAREタンパク質のpre-autophagosomal structure (PAS)への局在を生化学的手法により解析した。その結果、ゴルジ体、エンドソーム、細胞膜で働くSNARE群がPASに局在すること、その内のいくつかはオートファゴソーム形成に必須なAtg9と物理的相互作用していることが示唆された。そこで、本年度は二分子蛍光相補性試験によってゴルジ体SNARE (Tlg1、Tlg2、Vti1)とAtg9の相互作用を解析した。二分子蛍光相補性試験はタンパク質―タンパク質相互作用解析法の一つで、蛍光タンパク質VenusのN末端領域とC末端領域をそれぞれ解析したいタンパク質に融合させ、それらを共発現させることにより、in vivoにおけるタンパク質相互作用、さらには細胞内における相互作用部位を解析できる。ゴルジ体SNARE (Tlg1、Tlg2、Vti1)とAtg9の相互作用解析にこの手法を適用した結果、いずれのSNAREもAtg9との結合性を示した。PASマーカーであるCFP-Ape1との共局在を解析した結果、ゴルジ体SNAREとAtg9はPAS上で複合体を形成していることが明らかとなった。これらの結果から、Atg9がSNAREをPASへリクルートしている可能性が考えられた。そこで、野生株とAtg9過剰発現株におけるゴルジ体SNAREのPASへの局在を蛍光顕微鏡で観察・比較したところ、Atg9を過剰発現することによりSNAREがPASに局在する割合が上昇した。このことから、Atg9はSNAREをPASへリクルートする働きがあることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

電子顕微鏡観察は出来なかったが、相互作用解析などは順調に進展している。

今後の研究の推進方策

ほかのSNAREについても二分子蛍光相補性試験によるAtg9との相互作用解析を行う。
SNAREのPASへの局在がオートファジーに必要か解析する。そのためにSNAREやAtg9に変異を導入することによりSNAREがPASに局在しない変異株を作製し、その株におけるオートファジーの解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

変異株取得実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Transcripts of a heterologous gene encoding mite allergen Der f 7 are stabilized by codon optimization in Aspergillus oryzae2012

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, M. Tokuoka, M. Shintani, T. Gomi, K.
    • 雑誌名

      Applied microbiology and biotechnology

      巻: 96 ページ: 1275-1282

    • DOI

      10.1007/s00253-012-4169-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Functional analysis of FarA transcription factor in the regulation of the genes encoding lipolytic enzymes and hydrophobic surface binding protein for the degradation of biodegradable plastics in Aspergillus oryzae2012

    • 著者名/発表者名
      Garrido, S. M. Kitamoto, N. Watanabe, A. Shintani, T. Gomi, K.
    • 雑誌名

      Journal of bioscience and bioengineering

      巻: 113 ページ: 549-555

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2011.12.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Guidelines for the use and interpretation of assays for monitoring autophagy2012

    • 著者名/発表者名
      Klionsky, D. Shintani, Tほか(合計1270名)
    • 雑誌名

      Autophagy

      巻: 8 ページ: 445-544

    • DOI

      10.4161/auto.19496

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 出芽酵母における選択的オートファジーの新規輸送基質の発見2012

    • 著者名/発表者名
      柚賀正樹、新谷尚弘
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 50 ページ: 771-772

    • 査読あり
  • [学会発表] 出芽酵母におけるリン酸飢餓誘導性オートファジーの解析:液胞内リン酸プールとオートファジー誘導の関係2013

    • 著者名/発表者名
      横田浩人、五味勝也、新谷尚弘
    • 学会等名
      日本農芸化学会2013年度大会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      20130324-20130327
  • [学会発表] 出芽酵母におけるリン酸代謝とオートファジーの関係性2012

    • 著者名/発表者名
      横田浩人、五味勝也、新谷尚弘
    • 学会等名
      第45回酵母遺伝学フォーラム研究報告会
    • 発表場所
      宇治
    • 年月日
      20120904-20120906
  • [学会発表] ESCRT変異によるオートファジー非依存的な液胞分解経路の活性化2012

    • 著者名/発表者名
      一迫直也、松浦優佳、五味勝也、新谷尚弘
    • 学会等名
      第45回酵母遺伝学フォーラム研究報告会
    • 発表場所
      宇治
    • 年月日
      20120904-20120906

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公開日: 2014-07-24  

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