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2012 年度 実施状況報告書

酵母の脂質リモデリングによる生体膜インテグリティの維持機構の解析とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 23580104
研究機関東京大学

研究代表者

福田 良一  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (50323481)

キーワード酵母 / ホスファチジルコリン / ホスファチジルエタノールアミン / リモデリング
研究概要

リン脂質分子中のアシル鎖を置換するリモデリングは、生体膜の恒常性の維持に重要な役割を果たすと考えられているが、その具体的なメカニズムや意義は未解明である。本研究では酵母Saccharomyces cerevisiaeを用い、生体膜の主要リン脂質ホスファチジルコリン(PC)およびホスファチジルエタノールアミン(PE)のアシル鎖のリモデリングのメカニズムとその意義を明らかにすることを目的として、以下の解析を行なった。
1. PCのsn-1位へのアシル鎖の導入に関与する可能性のある遺伝子の破壊株および高発現株に、PCアナログを取り込ませ、sn-1位へのアシル鎖の転移をin vivoで解析したところ、本遺伝子の破壊株ではアシル鎖の転移が低下し、高発現株では亢進したことから、本遺伝子がPCのsn-1位へのアシル鎖の導入に関わる可能性が示唆された。
2. PEのsn-1位へのアシル鎖の導入を解析するためのアナログを小スケールで合成した。本アナログを酵母に取り込ませたところ、sn-1位にアシル鎖が導入された分子種が検出されたことから、本アナログがPEのsn-1位へのアシル鎖の導入を解析するためのツールとして利用できると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

PCおよびPEのsn-1位へのアシル鎖の導入に関する解析はおおむね順調に進行しているが、リモデリングの制御についての解析は遅れているため。

今後の研究の推進方策

1. PCおよびPEのアシル差のリモデリングに関わる遺伝子同定と機能の解析
これまでに酵母を用いて見出したPCのsn-1位へのアシル鎖の導入に関わる可能性のある遺伝子のヒトのオルソログを酵母で発現させ、PCアナログを用いてそれらの機能を解析し、高等真核生物においてPCのsn-1位へのアシル鎖の導入に関する知見を得る。また、PEアナログを大スケールで合成し、PEのsn-1位へのアシル鎖の導入に関わる酵素を同定し、その機能を解析する。
2. PCおよびPEのリモデリングの制御機構の解析
リモデリング関連酵素の基質特異性、様々な生体膜ストレス下での生産量、活性の変動を解析する。

次年度の研究費の使用計画

標識化合物を用いた酵素活性測定、リモデリングの制御についての解析を次年度に行うことにしたため、701,909円を次年度に使用することにした。
研究の遂行に必要な一般試薬、酵素類、プラスチック器具、ガラス器具、標識化合物の購入のための物品費として1,601,909円、研究成果発表および情報収集のための国内外の学会参加にかかる旅費として500,000円、論文投稿にかかる費用として100,000円を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ホスファチジルエタノールアミンの細胞内輸送に関する因子の出芽酵母を用いた解析

    • 著者名/発表者名
      小林 新吾、水池彩、福田 良一、堀内 裕之、太田 明徳
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      仙台

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公開日: 2014-07-24  

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