我々は、トランスクリプトーム解析により、大腸菌のサイレンサーであるH-NSが、その相同タンパク質である、HhaおよびYdgTと相互作用し、多くの遺伝子の発現を抑制していることを示した。加えて、レポーター遺伝子を用いた解析により、H-NSの転写抑制には、プロモーターの上流、および下流の広い領域が必要であることを示した。同時に、H-NSとHhaによる協調的な転写抑制が、Pchタンパク質により脱抑制されることを示した。これらの結果は、H-NSによる転写抑制には、H-NSが複数のタンパク質と複合体を形成し、遺伝子コード領域を含む広範な領域に結合する必要があることを示唆している。
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