研究課題
1.難水溶性の高級アルコールを誘導剤として用いた場合、P15界面活性タンパク質遺伝子破壊株ではリパーゼ分泌量が著しく低下したが、P15遺伝子補完株では回復した。このタンパク質をEliA(effector protein of lipase induction)と命名し、FEMS Microbiology Letter誌に掲載されたが、更にEliAの構造と機能の詳細を明らかにするために、ドイツ、フライブルク大学のOliver Einsle教授とEliAタンパク質の結晶化と構造解析に関する共同研究を行っている。EliAの結晶を得ることが出来、X線回折実験により2.1~3.0Åの解像度が得られた。高相同性配列を有するタンパク質あるいはペプチドのX線結晶解析はされていないので、位相を特定するために重原子置換法、あるいはSe-Met置換タンパク質創製法を試みている。2.リパーゼ遺伝子とeliAの転写調節領域の塩基配列相同性がほとんどないことから別の転写制御を受けていると示唆された。3. リパーゼ超誘導剤添加時におけるリパーゼとEliAの超共分泌システムの統一的分子機作を解明するために、難水溶性高級アルコールあるいは水溶性長鎖エーテルを添加して培養し、分泌タンパク質と膜タンパク質のプロテオーム解析を行った。二次元電気泳動とPeptide Mass Fingerprinting(PMF)法により各誘導条件下で特異的に発現する幾つかのタンパク質を同定することができ、この共超発現・分泌ネットワークの統一的理解が可能になると考えられる。4. 難水溶性高級アルコールを誘導剤として用いた場合、ポリエステル(PHB)と多糖が蓄積したが、EliA欠損株では蓄積しなかったので、脂質代謝におけるEliAの更なる重要性が示唆された。
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J. Gen. Appl. Microbiol.
巻: 59(2), ページ: 105-117
10.2323/jgam.59.105
http://www.chem.chuo-u.ac.jp/~celltech/
http://www.chem.chuo-u.ac.jp/~celltech/ishizuka/public-j.html
http://ir.c.chuo-u.ac.jp/researcher/profile/00012450.html